3年次/デザインスタジオ第1課題
M-unit / 最小の都市建築(住宅)
「radius」 井上裕基
LOVEHOUSE の隣に、最小の都市建築を設計する。都市建築(住宅)としたのは、住むという用途のみでなく、さらに何らかの用途を都市のコンテクストをふまえて構想、提案して欲しいためである。横浜市磯子区の木蜜地域の一角に、バス通りに面した敷地(現在駐車場になっている)に、小さな建築を計画する。コルビュジェの作品であるカップマルタンの休憩小屋のように、隣の建物(ここではLOVEHOUSE)とつなげて提案することも可。極めて小さなプロジェクトであり、ロジカルにもフィジカルにも密度の高い成果物を出して欲しい。
W-unit / ニッチに棲む
「Human Parking」 関口冬記
ニッチ(niche) とは、西洋建築で、彫刻・花瓶などを置くために、壁面をえぐってつくられた窪み(壁龕:へきがん)のことを示し、広くはモノを納めるための隙間をいう。我々が生きる都市の中には、様々な場所に、潜在的に空間の魅力がありながら、これまで誰も手をつけずに打ち捨てられ、隙間になっていたような場所が存在する。この課題は、各々が都市の中のニッチを見つけだし、その場所に、身体スケールに基づく最少の居住スペースの提案を求める。
F-unit / 家具から都市へ -『多重機能装置』
「pleats plates window」竹中美穂
我々を取り巻く環境は、様々なスケール(大きさ)をもつクラス(領域)によって成り立っている。例えば、小さなスケールから順に、まず家具的スケールの領域があり、次にこれを取り囲む建築的スケールの領域、そしてさらに広がりのある都市空間的スケールの領域へと大きくなっていく。しかし、これらのクラス(領域)を形成しているそれぞれの要素は、用途や機能として単独で完結しているというよりも、むしろ互いに重なり合ったり重層している場合が多い。今回の課題は、このような家具から建築そして都市を共通的に貫く“ 重層性” を発見、抽出し、新たな環境モデルとして空間的に造形化することである。