2015年度卒業設計/F unit
敷地は鳥取県倉吉市の伝統建造物群保存地区。そこに市庁舎としての公的機能とそれに関連する民間機能を歴史的町並みの中に計画する。かつて倉吉は陣屋町としてこの場所で栄え、そのまちの中心地に現在の市庁舎が建てられた。それは権威の象徴としてではなく、新たな公共空間としての市民広場がまちにひらかれた市庁舎となるためつくられた。しかし歴史を重ねる上でそのまちなみは観光地となり、地域住民の生活の場ではなくなってしまった。その影響や少子高齢化などもあり、現在の市庁舎は市民広場としてまちの中のパブリックスペースとしての機能は失われようとしている。それと同時にまちなみの中で空家や空地が目立つようになり、まちの空洞化も問題となっている。
本計画ではそのでできてしまった空地と空家をうめるように市庁舎とそれに付帯する機能をまちに合わせて配置・計画し、まちの隙間が連なることによってできる新たなパブリックスペースで観光地でもあり生活の場でもある、まちとしての市庁舎の形成を目指した。