Research Theme 研究テーマ
中国の古籍(漢籍)をめぐる文化的諸事象の総合的研究
Research Director 所長
Member メンバー
- 内山 精也 教育・総合科学学術院教育学部教授
- 大森 信徳 法学学術院法学部准教授
- 岡崎 由美 文学学術院文学部教授
- 紺野 達也 文学学術院文学部教授
- 辻 リン 法学学術院法学部教授
- 土谷 彰男 法学学術院法学部教授
- 安 平秋 北京大学中文系教授、中国全国高等院校古籍整理研究工作委員会主任
- 岩田 和子 法政大学法学部教授
- 荻野 友範 東洋大学文学部准教授
- 川 浩二 神戸市外国語大学外国語学部中国学科准教授
- 佐藤 浩一 東海大学語学教育センター教授
- 柴崎 公美子 早稲田大学非常勤講師
- 石 碩 法政大学経済学部准教授
- 高橋 智 慶應義塾大学文学部教授
- 陳 廣宏 復旦大学教授、復旦大學古籍整理研究所所長
- 陳 竺慧 山形大学人文社会科学部准教授
- 鄭 利華 復旦大学教授、復旦大学古籍整理研究所副所長
- 原田 信 近畿大学経営学部准教授
- 伴 俊典 早稲田大学文学部非常勤講師
- 松浦 智子 神奈川大学外国語学部中国語学科准教授
- 劉 玉才 北京大学中文学系教授、北京大学中国古文献研究中心主任
- 廖 可斌 北京大学中文系教授、北京大学中国古文献研究中心主任
研究キーワード
研究概要
中国は「文字」の国である。文字による記憶がなければ、この地の悠久にして多様な文明と歴史の連続性や一体性は主張できないほどである。それらは、古来、甲骨、金石、竹帛などさまざまなメディアに記録されてきたが、紙と印刷技術が発明されてより、その伝達と普及は格段と時空を拡大した。本研究所では、そうした記録媒体の如何を問わず、時代と地域を超え、文字(漢字)資料として残されたありとあらゆるものを研究対象とし、それらが伝える情報をこの地の「文明の記号」として読み解こうとする立場を取る。従って、いわゆる名のよく知られた「古籍」(古典籍)の書誌学的、文献学的な研究は言うまでもないとして、ただそれのみに偏するのではなく、民間の片々たる刷り物を含め、各種の文字資料の成立、流布、流通を通して、その背後にある文化史的な諸事象についての全面的な探求を目指している。 ここ数年は、中国の研究機関との共同研究事業として、日本に残された各種の貴重漢籍についての整理と研究、ならびにその影印出版を進めてきており、その対象範囲もいわゆる古典籍から中国近世の演劇、芸能、言語学資料などまで発展しつつある。
特に2018年度-2022年度は、「東アジアにおける中国古籍の民間への流布」を主なテーマとして、特に日本における中国古籍の流布や変容の研究が進んだ。コロナゆえに日本国内にとどまらざるを得なかった「東アジアにおける中国古籍の民間への流布」を主要なテーマとして引き継いたうえで、さらに「中国古籍の流布における担い手」に目を向けて、深めて行きたい。これはすでに複数の研究員の間で、専門分野は違っても「出版文化とその担い手」といった問題意識が共有されてきているので、それを共有プラットフォームとしたい。研究員の専門分野は、おおよそ古典詩文、俗文学、日本漢学、書誌学など多岐にわたるが、古籍の担い手の問題は、いずれの分野においても、文化事象としての書籍の成立や流布の動態を考察するうえで、不可欠なテーマといえる