研究キーワード
オペラとバレエの歴史、各国への伝播、新しいオペラ/音楽劇、演出、オペラ台本、劇場建築、舞踊、舞台美術、映画、メディア、テクノロジー
研究概要
オペラ/音楽劇の歴史的変容ならびに世界諸地域への伝播を把握するとともに理論的考察を行う。また可能な限り舞台実践を試みる。
次の3つの基本方針を堅持しつつオペラ/音楽劇研究を推進する。
①研究所活動の国際化
②オペラの舞台実践と学術研究の結合・両立
③総合的な研究
①について:従来交流のあるイスラエル、ドイツ、アメリカ、アイルランド等の研究者たちとの交流を一層活性化し、さらなる共同作業を予定している。具体的にはオペラ研究に関する共同セミナーや共同シンポジウムなどの開催を目指して作業を進める。西洋のオペラと日本のオペラとを比較し、その共通点や類似点を探り、いわば比較オペラ学といったものの確立を試みる。またアメリカ・イェール大学のグンドラ・クロイツァー教授とのヴァーグナーに関する共同研究を予定している。
②について:テルアビブ大学のミハル・グローバー=フリードランダー教授を再度招聘してその演出によりオペラ作品の公演を早稲田大学にて開催。その際の学術上のテーマは「オペラの声」であり、このテーマに関する考察を一層深める。つまり「オペラの声」という聴覚的要素を演出によって演技や舞台装置等を通じ可視化することを追究したい。フリードランダー教授には「声」についての著書やその理論を用いた舞台プロダクションも既に存在するので、そこから多くを学べるはずである。
③について:現研究所においても既に音楽学、演劇学、文学、美術、舞踊学、メディア学、映像学等の多様な分野の研究を援用してオペラ/音楽劇研究を進めているが、再設置後も引き続きかかる学際的研究を推進する。いわゆる藝術大学や音楽大学といった単科大学では不可能な部分を本研究所では取り扱うことが可能であるので、その長所を存分に生かす研究を行い、独自のオペラ学を確立していく。
さらに従来の方針である世界各国のオペラ/音楽劇研究、ならびにその歴史的探求にも配慮しつつ研究を一層深めたい。
なお本研究所の今後5年間の研究重点領域として次の3つを掲げている:
1) 「オペラとメディア」、2)「オペラと舞踊」、3) 「オペラと文学」