計算材料科学特別セミナー『ソフトマター2』第1回「ソフトマターの特徴」を開催いたしました。
昨年の青木圭子先生の「ソフトマター計算科学入門」に続き、本セミナーでは、「ソフトマター物理学入門」として、高分子・液晶分子・界面活性剤分子・コロイド粒子などのソフトマターで起こる相分離や相転移を記述する平均場理論を紹介します。
第1回セミナーでは、「ソフトマターの特徴」と題して、以下の内容について解説しました。
1. ソフトマターの3大特徴(ゆっくりした運動、柔らかさ、メゾスコピック構造)について、具体例とともに紹介しました。
2. 分子間相互作用や自由エネルギーの復習として、理想気体やファンデルワールスの状態方程式を用いて相転移について解説しました。
3. 2成分系の相分離とそのダイナミクスの基礎理論について、2成分系の正則溶液理論を紹介し、それを用いて相分離の熱力学を復習し、スピノダル分解のCahn-Hilliardの線形解析理論や古典核生成理論などについて解説しました。復習も含めて、第2回セミナー以降の基礎になる項目を紹介しました。
企業・大学・研究機関等から幅広い分野の研究者・学生の方々にご参加いただき、盛況のうちに終えることができました。ご参加頂きました聴講者の皆様に感謝申し上げます。
第1回「ソフトマターの特徴」
松山 明彦(九州工業大学大学院 情報工学研究院 物理情報工学研究系 教授)
日時:2023年12月13日(水)13:00~18:00
開催方法:オンライン(Zoomミーティング利用)
参加人数:55名
〔内訳〕学内15、学外38(大学11、企業等26、研究機関1)、講師他2