生命科学は分子レベルから、細胞、組織、個体さらにはその集団を単位とした解明が進められているが、それを統合的に理解する必要が指摘されており、多階層にわたる動的な生体システム、ネットワークを統一的に理解することが求められている。本研究所では、異なったレベルを「階層的」と表現し、最近研究の進む「シングルセル解析」「オミックス解析」の手法を加え、タンパク質や核酸などの生体高分子を細胞内に効率高くデリバリーする運搬体とマイクロフルイディクスデバイスの構築、生体高分子の高次構造解析と計算科学の融合による「ダイナミック構造生物学」、さらにはそれらを統合的に理解するための「システムバイオロジー」を展開する。それらの包括的な研究によって生命現象を解明し、疾患の病態解明やそれに基づく新規治療法や診断手法開発など、医療応用、さらには健康という観点から予防医療を目指した研究開発を考える。特に、ビックデータに対応した生命情報科学分野を積極的に展開する。さらに、こうした研究成果を健康・医療の分野の応用へと結びつける。