2024年8月30日(金)、31日(土)の2日間にわたり、シンガポールに所在する早稲田大学系属・早稲田渋谷シンガポール校を会場として「おもしろ科学実験教室 in シンガポール」を開催しました。今回はシンガポール日本人学校中学部の生徒、インターナショナルスクールの生徒、シンガポール教育省語学センター(MOELC:Ministry of Education Language Centre)で日本語を学んでいる中高生、および早稲田渋谷シンガポール校の生徒を対象として、総勢約80名の生徒が参加しました。本企画は2019年、2023年に続き、今年で3回目を迎えました(2020年~2022年は新型コロナウイルス感染症の影響で実施を見送り)。
本実験教室は、大学レベルの実験を自ら体験することを通じて科学への興味・関心を高める機会を提供するとともに、シンガポール在住の中高生に早稲田大学および早稲田渋谷シンガポール校を知っていただき、進学先候補として興味を持ってもらうこと、また早稲田渋谷シンガポール校の生徒には高大連携の一環として本学理工学部をより理解してもらうことを目的として実施しました。

会場となった早稲田渋谷シンガポール校
実験のテーマは「DNA鑑定で食肉の種類を調べよう! -PCR解析を用いた食品検査-」です。新型コロナウイルス感染症の流行で一躍有名になった「PCR法」を用いて、食肉種の鑑定に挑戦しました。
試料はレバー肉を使用し、ブタ・トリ・ウシの肉のいずれか、あるいは混合物としました。見た目では肉の種類がわからなくても、DNAを抽出し、PCR法によって特定のDNA断片を増幅して解析すると、肉の正体を突き止めることができます!
マイクロピペットという器具を上手に使いこなして試薬を混ぜながら、食肉からDNAを抽出したり、PCR用の溶液を調製しました。
実験指導には、早稲田理工の技術職員のほかに早稲田渋谷シンガポール校の在校生も加わりました。彼らの的確な指導のもと、参加者は楽しく実験していました。
スタッフに見守られ、細かい作業に少し緊張しながらも集中して取り組みました。
実験結果はどうだったかな…?
電気泳動という手法を用いると、PCRで増幅したDNA断片がこのようにバンドとして観察できます。バンドパターンから食肉種を判別することができました!
今回のテーマは本学の大学1年生の授業で扱う実験をアレンジしたもので、内容や工程には難しい部分もありましたが、皆真剣に取り組み、大きな失敗もなく成功裏に終えることができました。目を輝かせながら生き生きと実験していた姿や、結果が出た時の嬉しそうな笑顔が印象的でした。また、実験の合間には、学校の垣根を越えて生徒同士の交流も深めることができました。
シンガポール教育省語学センターの先生方は、「生徒たちは日本語の科学用語に触れることができ、ネイティブの高校生や大学スタッフと日本語の会話練習をすることもできて、充実した時間を過ごすことができました」とコメントされていました。
この実験教室は、本学理工センター技術部の職員や機器・装置だけではなく、本学が持つ海外拠点ネットワーク(早稲田渋谷シンガポール校)の物的・人的リソースの活用、早稲田渋谷シンガポール校在校生の協力、さらにシンガポール日本人学校、インターナショナルスクール、シンガポール教育省語学センター、理工パートナーズの支援により実現しており、多くの参加者に科学への興味関心を深める機会を提供することができました。
参加者の中から、将来、早稲田生が誕生し、やがては世界で活躍する校友(卒業生)となり、ともに科学技術や社会の発展に貢献していけることを、私たち職員一同願っています。
![]() 記念品のオリジナルDNAキーホルダーを手に記念撮影(写真は8/31午前の部)。 |
![]() 記念品として配布した、スタッフ手作りのDNAキーホルダー。DNAの塩基が描かれたパズルになっており、本物のDNAと同様、AとT、GとCが組み合います。 |
次は早稲田で会いましょう!
See you again at WASEDA!