Faculty of Science and Engineering早稲田大学 理工学術院

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学生 × 校友座談会 きわめる人になれる場所

理工学術院は創設から一貫して、勉強から課外活動まで学生の意欲に応える場所であり続けています。学生生活の魅力や、卒業後も生かせる理工での学びについて、理工学部の卒業生でもある株式会社資生堂の関根知子さんを招き、学生と語り合っていただきました。

座談会参加者プロフィール

※参加者のプロフィールは取材時(2017年4月)のものです。

1970年生まれ。1993年、早稲田大学理工学部応用化学科卒業後、株式会社資生堂に入社。入社後一貫して、スキンケア製品の新規乳化技術開発に携わる。2000年、「マルチプルエマルションの開発」で油脂工業論文賞受賞。2013年、女性科学者奨励賞(日本油化学会)受賞。2015年、東京理科大学大学院で博士(工学)取得。家庭では2児の母でもある。

関根知子さん
1970年生まれ。1993年、早稲田大学理工学部応用化学科卒業後、株式会社資生堂に入社。入社後一貫して、スキンケア製品の新規乳化技術開発に携わる。2000年、「マルチプルエマルションの開発」で油脂工業論文賞受賞。2013年、女性科学者奨励賞(日本油化学会)受賞。2015年、東京理科大学大学院で博士(工学)取得。家庭では2児の母でもある。

基幹理工学部 応用数理学科 4年。埼玉県出身。社会現象を数理モデル化する応用数理を研究する。数理の考え方を生かして、企業で活躍するのが目標。

田中大地さん
基幹理工学部 応用数理学科 4年。埼玉県出身。社会現象を数理モデル化する応用数理を研究する。数理の考え方を生かして、企業で活躍するのが目標。

創造理工学部 環境資源工学科 4年。神奈川県出身。人工光合成に関するニュースを見たことでエネルギー問題に興味を持ち、環境資源工学科に進んだ。

鈴木綾さん
創造理工学部 環境資源工学科 4年。神奈川県出身。人工光合成に関するニュースを見たことでエネルギー問題に興味を持ち、環境資源工学科に進んだ。

先進理工学部 応用化学科 4年。広島県出身。ブロック共重合体を用いた機能膜への応用を研究している。化学を通して商品開発に携わるのが夢。

住田裕代さん
先進理工学部 応用化学科 4年。広島県出身。ブロック共重合体を用いた機能膜への応用を研究している。化学を通して商品開発に携わるのが夢。

理工でできる多様な学び

関根 私が在学していた頃、理工学部は1つの学部でした。現在の理工学部は3学部に分かれているのですね。皆さんは今、どんなことを勉強していますか?

鈴木 私たちは全員4年生なので、研究室にちょうど配属されたばかりです。私はエネルギー問題に興味があって環境資源工学科に進み、今は光触媒の研究を通して、有機物の分解がどのように行われているのか学んでいます。創造理工学部の中では化学系に近い分野で、応用化学科にも詳しい先生がいると聞きました。

住田 応用化学科でも触媒は研究されていますね。私が研究しているのは高分子化学で、特にブロック共重合体を用いた機能膜への応用を研究しています。関根さんとは研究室の担当教授が同じなので、直接の先輩後輩です。今日は女性としても、先輩に聞きたいことがたくさんあります。

田中 私は応用数理を学んでいます。数理といっても「1+1がなぜ2になるのか」といった哲学的な話ではなく、社会現象を数理モデル化しようと考えるのが応用数理です。例えば車の渋滞のメカニズムのような、世の中で起きているあらゆることを、数値化・定量化して考えています。

関根 理工といっても多種多様ですね。配属された研究室では、ポルフィリンという化合物を扱っていました。ポルフィリンは赤血球の中にあるヘモグロビンと同じ骨格をしていて、ヘモグロビンと同じように、酸素が多いところでは酸素とくっつき、酸素が少ないところでは酸素を手離す性質を持っています。これを利用して、酸素だけを透過する膜を作る研究を行っていました。毎日実験や解析を続ける日々は楽しかったので、自然と研究職を目指すようになり、理系の女性ならではの力を生かせる化粧品メーカーに入社しました。

楽しいからこそ一生懸命になれる

関根 入社してからは、主に基礎研究を行う部署で、水と油を乳化させる技術を研究してきました。これはコロイド・界面科学が関係する分野です。最初に商品化できた研究は、「マルチプルエマルション」という新しい乳化技術で、肌に塗っている間に急にのびが軽くなり、しばらく塗っていると今度はのびが重くなりこくが出る、という2段階の感触変化が感じられるマッサージクリームとして発売されました。基礎研究からスムーズに商品化されることはまれで、せっかく研究したのに日の目を見ないこともある一方で、15年も前の研究が一気に商品化に向けて動き出したりもします。研究する時は「絶対これを商品にするんだ」と考えていますが、その思いが形になるまでは根気がいる仕事です。

田中 そんなに長い間、研究を続けられるモチベーションは何でしょうか。

関根 やっぱり、学生時代と同じように研究が楽しいからですね。もちろん失敗も多いし、大変な仕事ではあるけれど、楽しいから頑張ろうと思えるんです。皆さんは今、頑張っていることはありますか?

住田 関根さんの学生時代と同じで、私は今、研究室での学びに集中しています。研究室に入ると専門性が一気に高まるので、自分の知識が足りないと痛感して勉強しているところです。

鈴木 私はこれまで勉強に一生懸命になっていた反面、早稲田大学らしい課外活動をあまりしていなかったことに気づきました。そこで野球部やラグビー部の試合の観戦や、アルバイトにも挑戦しています。もちろん勉強は大切ですが、早稲田だから、大学生だからこそできる経験が、このキャンパス内外にはたくさんあると思っています。

田中 私は、大学の直営寮の寮長として寮運営を頑張っています。近年、外国人留学生の寮生が増えてきたので、日本人学生との交流を図るためのイベントも企画しました。異なる背景を持つ学生同士の交流からは、ものの考え方や話し方など、学べることが多いです。

関根 学生が思い思いの学生生活を過ごしているのは、今も昔も変わりませんね。私の学生時代の思い出のベースは研究室にありながらも、テニスサークルで厳しい練習を経験したり、応用化学会に所属したりと、振り返ればさまざまな経験をしました。

鈴木 多様さといえば、西早稲田キャンパスでは理工系以外の授業も取れますよね。以前から気になっていた経済学の授業を履修してみたら、想像以上に楽しかった。興味に合わせて、幅広い授業群から選んで学べるので、知識の幅が広げられたと思います。

時間の使い方を自分でアレンジする

住田 理工系の学生は、実験やその発表など、メインの「やるべきこと」がはっきりしていますよね。だからこそ、それ以外の時間に学びたい授業を取ったり、息抜きにアルバイトをしたりと、「やりたいこと」を大切にできるようになりました。今は研究を軸にして自分の生活をアレンジできるようになった気がします。

田中 そうですよね。研究を中心に毎日の予定を組み立てるので、生活にリズムが生まれる気がします。

関根 研究以外の時間を何に使うのかは大切な考え方ですね。私は入社してから、自由時間のかなりの割合を勉強にあてていました。

住田 研究職でも仕事以外に勉強が必要なのですか。

関根 そうですね。乳化の研究には界面科学の基礎知識が必要なのですが、私は入社時に全くその知識を持っていなかったため、一から勉強をしなくてはなりませんでした。例えば、肌に化粧水をたらした時に濡れ広がったり、水滴状のままだったりするのはなぜか。乳化させるとき、薬剤を加えると状態が変化するのはなぜかということも分からなかったのです。自分一人での勉強はもちろん、上司に専門書を紹介してもらって、研究グループの有志8人で2年かけて読み解いたこともありました。

田中 すごい。仕事に加えてさらに時間を取って、そういったキャッチアップの勉強をするのですか。

関根 仕事の前後に時間を取っていました。専門書を読み解いた時は、章ごとに担当者を分けて予習した上で、集まって解説し合っていました。

鈴木 まるでゼミみたいですね。

関根 勉強に終わりはないですよね。そのための基礎体力は早稲田で培ったと思います。

今はどんどん学べる「貴重な期間」

関根 会社に入ると、自分の時間は必然的に少なくなってしまいます。だからこそ、学生の皆さんにとって、今は貴重な期間です。何か聞けば教えてくれる先生もたくさんいるし、自分で自由に使える時間もある。今ある環境を生かして、自分の興味に合わせてどんどん勉強してほしいです。共同研究など海外とのやりとりも増えているので、英語もできるに越したことはありません。また、プレゼンテーションなどで人に説明する力も大切です。企業では、自分の研究内容を専門ではない人に説明する場があるので、分かりやすく伝える工夫が求められます。私も決して得意とはいえないので、上手な人の話し方や資料を参考にしています。

住田 ビジネススキルも大切なのですね。基礎実験や英語の授業、研究室の発表会では、スライド資料を作って説明する機会があるので、経験を積み重ねれば力が付いていくのかもしれません。今学べることはたくさんありますね。

関根 そうですね。興味を持ったことは、何でも学んでみた方がいいと思います。将来、何かに役立つかもしれませんからね。

住田 勉強しなければと思いながらも、気づいたら1日が経っていることが多いので、意識して学ぼうと思います。そうして勉強を頑張ることで、将来、自分の子どもに「お母さんがこれを開発したんだよ」と言えるようになりたいです。

関根 私は開発した研究に関して大学で講義をする機会があり、当時小学校低学年だった子どもたちを連れて行ったら「ママすごいね」と喜んでくれました。私が仕事に真剣に、かつ楽しく取り組んでいるのが分かるのか、なかなか子どもとの時間が取れなくても、仕事をやめてほしいと言われたことは一度もありません。仕事に打ち込む姿を応援してくれているからだと信じています。

田中 私は就職活動をしていて、学生生活はあと1年です。まだ研究室には配属されたばかりですが、この1年は自分の研究テーマを決めて、それを極めようと思っています。いつでも手を動かして研究できる理工の環境を生かして、一つの作品として卒業研究を残したい。1年で成し遂げるのは難しいけれど、楽しそうだと期待もしています。一生懸命、のめり込んでいきたいです。

関根 研究をしていると、毎日新しいことが分かりますよね。それを進んでやっているという点で、理工系の人は知的好奇心が旺盛なんだと思います。

鈴木 知らないことがあれば、知りたいと思う。だから学んでみる。それは私たちの中では自然なことだし、楽しいことですよね。

理工学術院のここがいいところ

本当の仲間ができる

住田 「理工の学生は実験や研究が多くて大変そう」とよく言われますが、その分、繰り返し会う仲間とはすぐに仲良くなれます。私はそこが理工のいいところだと思います。

関根 研究室のメンバーとは、当時家族よりはるかに長い時間を一緒に過ごしていますよね。研究室にはほぼ毎日来ていたので、食事も勉強も、月一の研究報告会の打ち上げも一緒で、本当に苦楽を共にしました。

落ち着いた雰囲気

田中 授業や研究で毎日を過ごすせいか、西早稲田キャンパスがホームなんだと感じますね。雰囲気が落ち着いているので、キャンパスに来ると「帰ってきた」という気がします。

関根 その落ち着いた雰囲気は、昔から変わりませんね。一方で、今は授業のためにノートPCを持ち歩く学生が多いと聞いて、時代が違うなと感じます。私の学生時代には、デスクトップ型PCを担いでいる学生もいましたから(笑)。

キャンパスの進化

関根 地下鉄西早稲田駅ができてアクセスが良くなったり、中庭がすごくきれいになったりと、キャンパスはどんどん進化していますね。女子学生の増加に対応して、建物の各階に女子トイレがあるのにも驚きました。

鈴木 多様な学生が集まるのに合わせて、今のキャンパスが出来上がっているんだと思います。さまざまな設備を目的に合わせて自由に利用し、のびのびと過ごせる環境も強みだと思います。

座談会に参加した学生の感想

田中 あと1年で卒業なんだと思うと、「学生生活は一瞬だったな」と実感しています。自分の研究を通して専門的な知識を得たり、物事を追及する力を付けたりするのはもちろん、課外でも後悔のないよう、「貴重な期間」である学生生活を過ごしたいと思います。

鈴木 海外との共同研究もされている関根さんのお話を聞いて、特に英語の勉強をもっと頑張らなければと感じました。今の研究室には外国人留学生がいて、英語でプレゼンテーションする機会もあります。専門的な分野をさらに英語で話すのは難しいですが、勉強のチャンスと思って挑戦しようと思います。

住田 関根さんが社会人になっても仕事の前後の時間を使って勉強されているお話を聞き、刺激になりました。私はこれから大学院に進学するので、時間の使い方をもっと工夫する必要があると思います。積極的に時間を見つけて勉強し、早く専門知識を身に付けたいです。

(「理工学術院パンフレット」2017年発行号より)

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