早稲田大学理工学部の伝統は理と工の一体化による先端研究とそれに基づく教育を行うことにあった。基幹理工学部では、その定評ある伝統を継承し、数理科学等の「理」と基礎工学等の「工」の基礎をまずしっかり学ぶ。その上で、数学と応用数理、情報と通信の科学と技術、機械の科学と航空宇宙、電子の物理と技術、アートと科学の融合等の専門分野の教育を行う。ここでは、充実した講義・演習・実験等により専門に精通させていくとともに、先端研究を行う教員や研究員がプロジェクト研究等へ学生を誘い、「研究の楽しさに触れて学ぶ」伝統を実践する。一年次を学部一括教育の期間とし、学部共通基礎を深く学ぶと同時に、各専門分野に一年間触れて将来の進路を見極める時聞が用意されていることが特徴である。数理科学や工学の基礎と専門科目をともにしっかり学ばせることにより、新しい時代を切り開く自在の能力を持つ学生の育成を目的とする。また、人文・社会科学的な素養も併せ持たせて、持続可能な社会構築など科学者として人類に貢献する視点の形成も行う。
※各学科の「人材の養成に関する目的その他の教育研究上の目的」はこちら。
近年、科学技術の領域は飛躍的に大きな広がりを呈し、それに対応してそれぞれの領域は分化・深化してきた。大学における教育研究体制もこれに呼応した形で発展してきた。しかしながら、専門分野の発展と同時に、新しい価値観の創造、新しい科学技術分野あるいは学問分野の開拓が強く求められる時代を迎えた。これに伴い、地球規模で考え行動し、新しい時代を切り拓く人材を育成する教育研究の展開が求められることとなった。
基幹理工学部は、科学技術の根幹をなす数学をはじめとする理工系の素養と共に人文・社会学系の素養を身に付け、その上で科学技術の基幹を担う数学・応用数理、機械科学、航空宇宙工学、材料科学、電子物理システム学、情報理工学、情報通信学、表現工学などの基本を学習し、新しい分野に創造的に取り組む意欲と能力を備えた人材を求める。高等学校等における学習によって、確かな基礎学力(知識・技能・思考力・判断力・表現力)、および主体的に学ぶ姿勢を身につけた者を受け入れることを基本方針とする。
※ 学部名の表記がないものは3学部共通
上記の方針に基づき、以下の入試による選抜を行う。
基幹理工学部では、所属する7学科を数学系、工学系、メディア系に分類した学系別入試を採用している。1年次の学生は学科に属さず、週1コマの学系別授業を除けば学部共通のカリキュラムにより、理工系の幅広い基礎をしっかりと修得するとともに、将来どのような分野に進むべきかについて時間をかけて考えることができる。1年次のカリキュラムは複合領域科目、外国語科目(A群科目)、数学、自然科学、実験・実習・制作、情報関連科目(B群科目)および学系別のC群専門科目により構成される。
一定の条件を満たした1年次の学生は、2年次から数学科、応用数理学科、情報理工学科、情報通信学科、機械科学・航空宇宙学科、電子物理システム学科、表現工学科のうちの1学科に進級する。進級の際には、進級希望学科に応ずる振り分けが実施され、進級先の学科が決定される。2年次カリキュラムにおいては各学科必修科目の比率が高くなり、専門科目の履修が本格的に始まる。3、4年次では、受身的な学習から一転して能動的な学習が中心となる。各学科ともに基本と応用を学びながら課題に取り組み、問題解決の能力を身に付けることができるカリキュラム体系となっている。
早稲田大学の総合性・独創性を生かし、体系的な教育課程と、全学的な教育環境と学生生活環境のもとに、多様な学問・文化・言語・価値観の交流を育み、地球社会に主体的に貢献できる人材を育成する。
さらに現代社会においては、科学技術に関する広い知識と、人文・社会科学系の知識を含む幅広い教養を備え、将来への洞察力を持って時代を切り拓く人材の育成が求められている。また新しい時代の科学技術を確立するとともに、学問の枠組み・意味さらには学問とその活用の関係を再構築することが時代の大きな要請となっている。
基幹理工学部では社会を支えるキー・テクノロジーである情報、機械、エレクトロニクス、物質・材料、エネルギーに関する基礎的科学技術とその根幹にある数学、および両者の架け橋となる応用数理を軸とする教育研究を展開する。そして、幅広い教養の上に理工学の基礎を修得し、これをもとに各専門分野や新しい学問領域に取り組む能力を涵養し、時代を切り拓き世界で活躍できる人材の育成を目指す。
学修成果1.理工系基礎科目を履修し、科学技術に関する広い知識を身につける。
学修成果2.理工系基礎科目を履修し、人文・社会科学系の知識を含む幅広い教養を備える。
学修成果3.各学科で必要とされる基礎的科学技術とその根幹にある数学、および両者の架け橋となる応用数理を軸とする教育研究のための基礎知識、スキル、態度を身に着ける。
学修成果4.各専門分野や新しい学問領域に取り組む能力を身につける。
学科 | 学べる内容 | 主な就職実績 ※修士修了者含む |
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数学科 | 代数・幾何・解析から数値シミュレーションまで幅広い領域をカバー。数学を深く追究するとともに、物理学、理工学、社会科学などにおける数理現象を理解できる高度な知識や数理感覚を身につけます。 | ソフトウエア、金融・電機・機械、情報・通信、教員 |
応用数理学科 | 数学と自然科学・各種工学との架け橋となる応用数理。本学科では物質の数理構造や数理ファイナンス、情報セキュリティーといった領域を学び、さまざまな分野の問題を数学の観点から研究します。 | ソフトウエア、金融・電機・機械、情報・通信、教員 |
機械科学・航空宇宙学科 | 機械工学の基礎的な知識と技術を学び、それらを総合化して実践できる力を養います。主な研究領域としては熱流体、設計、精密機械、機械材料、力学系、システム制御、航空・宇宙などがあります。 | 機械・電気電子、情報・通信、鉄鋼・金属、化学・素材 |
電子物理システム学科 | ナノエレクトロニクス、バイオエレクトロニクス、システム設計、LSI、光エレクトロニクスなど、情報技術を支える基幹技術について幅広く学びます。学際的な研究も積極的に推進します。 | メーカー、公益企業、通信・放送 |
情報理工学科 | 情報科学、情報工学、通信工学を追究。ハードウェアやソフトウェア、コンピュータネットワークなど、最先端情報技術を総合的に学び、高度情報化社会に貢献できる知識やスキルを習得します。 | 情報・通信、メーカー、金融、商社、コンサルティング |
情報通信学科 | 情報通信システムの構成と動作の仕組み、システムを構成する上での原理/原則、情報通信サービスを構築するアプリケーション技術、システムの動作を可能にする物理法則を知識として身につけ、またそれを活用する能力を養います。 | |
表現工学科 | アート・デザイン制作、音楽、メディアマネージメント、そして表現科学・技術(サイバーシアター、立体映像表現、音響など)を学びます。学外連携プロジェクトも積極的に行います。 | 広告・制作、放送・通信、電気・機械・製造 |
科学技術に関する広い知識と、人文・社会科学系の知を含む幅広い教養を備え、将来への洞察力をもち 新しい時代を切り拓く人材が求められている。また同時に、学問の枠組み・意味さらには学問とその活用の関係を新しい時代に対応して再構築することが時代の 大きな要請となってきた。このため、理工学基礎教育およびそれにもとづく各専門分野における基礎的教育をさらに発展させ、新しい時代に要請される専門領域 あるいは学際領域に挑戦する能力を有する人材の育成をめざす。
※各専攻の「人材の養成に関する目的その他の教育研究上の目的」はこちら。
早稲田大学では,『学の独立』の教育理念のもとで,一定の高い基礎学力を持ち,かつ知的好奇心が旺盛で,本学の理念である進取の精神に富む,勉学意欲の高い学生を,我が国をはじめ世界から多数迎え入れる。
近年、科学技術の領域は飛躍的に大きな広がりを呈し、それに対応してそれぞれの領域は分化・深化してきた。大学における教育研究体制もこれに呼応した形で発展してきた。しかしながら、専門分野の発展と同時に、新しい価値観の創造、新しい科学技術と学問分野の開拓が強く求められる時代を迎えた。これに伴い、基幹理工学研究科では、地球規模で考え、行動し、新たな時代を切り拓く、高い将来性を有する人物を広く受け入れる。修士課程では、科学技術の根幹を担う数理科学、機械科学、航空宇宙工学、材料科学、電子物理学、情報工学、情報通信学、表現工学などの専門分野を修得するための基礎的な知識と能力、探究心を有することが求められる。博士後期課程では、これらの専門分野の発展・深化に貢献するのみならず、新しい分野に創造的に取り組む高度な知識と能力、開拓精神と倫理観を有することが求められる。
基幹理工学研究科は,数学応用数理,機械科学・航空宇宙,電子物理システム学,情報理工・情報通信,表現工学,材料科学の6専攻を設置し,学部での教育研究を基盤に,大学院ではより高度な研究に取り組む人材を育成する。従来の大学院カリキュラムは,専門性の高い科目を集めた編成になりがちであったが,科学技術が飛躍的な進歩を遂げている今日,学部教育のみでは基礎学問や関連知識の修得は困難になっている。本研究科においては,学部および修士課程を基礎教育期間と位置付け,学部・大学院(修士課程)における一貫教育の実践を理念とする。したがって,修士課程においては学部教育に深く連携したカリキュラムを設置している。その特色は,専門分野や関連分野について体系的に学べること,幅広い関連分野を学ぶことにより,自らの専門が科学技術の領域においてどのような位置にあるかを理解できることである。修士課程学生は,研究指導を受ける研究室を中心とする教育研究活動を通じて,各自の研究テーマに取り組むことにより研究・問題解決能力を身に付けることが可能である。
さらに博士後期課程に進学した学生は,高度で専門的な理想および応用について研究し,その深奥を究めることを目指すことが可能である。
早稲田大学の総合性・独創性を活かし,体系的な教育課程と,全学的な教育環境と学生生活環境のもとに,多様な学問・文化・言語・価値観の交流を育み,地球社会に主体的に貢献できる人材を育成する。
さらに現代社会においては,科学技術に関する広い知識と,人文・社会科学系の知識を含む幅広い教養を備え,将来への洞察力を持って時代を切り拓く人材の育成が求められている。また新しい時代の科学技術を確立するとともに,学問の枠組み・意味さらには学問とその活用の関係を再構築することが時代の大きな要請となっている。
基幹理工学研究科では社会を支えるキー・テクノロジーである情報,機械,航空宇宙,エレクトロニクス,物質・材料,エネルギー,アートとメディアに関する基礎的科学技術とその根幹にある数学,および両者の架け橋となる応用数理を軸に据えつつ,各専門分野での教育研究を展開する。そして各専門分野の深化・発展に貢献するばかりでなく,新しい学問領域に創造的に取り組み,時代を切り拓き世界で活躍できる研究者・高度専門科学技術者の育成を目指す。
学修成果1.科学技術に関する広い知識を身に着ける。
学修成果2.人文・社会科学系の知識を含む幅広い教養を備える。
学修成果3.各専攻で必要とされる基礎的科学技術とその根幹にある数学、および両者の架け橋となる応用数理を軸とする教育研究のための基礎知識、スキル、態度を身に着ける。
学修成果4.各専門分野の深化・発展に貢献、新しい学問領域に創造的に取り組むことが可能となる、専門的知識、スキル、態度を身に着ける。
研究科 | 専攻 | 修士課程 | |||
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日本語で学位を取得 するプログラム |
英語で学位を取得 するプログラム |
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4月入学 | 9月入学 | 4月入学 | 9月入学 | ||
基幹理工学研究科 | 数学応用数理専攻 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
機械科学・航空宇宙専攻 | ◯ | ◯ | × | × | |
電子物理システム学専攻 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
情報理工・情報通信専攻 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
表現工学専攻 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
材料科学専攻 | ◯ | ◯ | × | × |
研究科 | 専攻 | 博士課程 | |||
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日本語で学位を取得するプログラム | 英語で学位を取得するプログラム | ||||
4月入学 | 9月入学 | 4月入学 | 9月入学 | ||
基幹理工学研究科 | 数学応用数理専攻 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
機械科学・航空宇宙専攻 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
電子物理システム学専攻 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
情報理工・情報通信専攻 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
表現工学専攻 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |
材料科学専攻 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
実体情報学博士プログラム 実体情報学コース ※1
※1 各専攻の入学試験で選考を経て合格した場合に応募することが可能なコースです。