「石油開発 夏の学校」参加体験記
創造理工学研究科 地球・環境資源理工学専攻 修士2年 上野 真希
研究発表の様子
企業の方による講演
台風3つが直撃した8月20日から22日、八王子の大学セミナーハウスにて「石油開発 夏の学校」に参加しました。「石油開発 夏の学校」は、国際石油開発帝石株式会社、JX石油開発株式会社、石油資源開発株式会社の石油開発会社3社の協賛を得て、石油開発を学ぶ学生が主体となり運営する合宿型交流会で、研究の発表、講義、企業の方による講演会、グループワーク、懇親会等の活動を行います。本年度が初の試みであり、九州・京都・東京・東北・早稲田の5大学30名の学生が参加しましたが、その内の17名は、創造理工学研究科 地球・環境資源理工学専攻を中心とする早稲田大学の学生です。
石油開発というワードに馴染みがない方も多いかと思います。読んで字の如く、石油の探鉱・生産に関する分野です。跨る学問領域は、地質学、地球物理学、油層工学、岩盤力学等、多岐に渡ります。石油開発業界は世界が舞台であり、そこでは学生が主体となった国を越えての交流が頻繁になされています。残念ながら、日本には石油開発を総合的に学べる大学は少なく、そうした大学は全国に散在しているため、他大学の学生と接触する機会は限られています。その結果、学生の活動は大学単位の幅の狭いものになりがちでした。
グループワークの様子
集合写真
「果たしてそれで良いのだろうか」という危機感が、この交流会発足のきっかけです。日本の学生も国際的な活動に積極的に挑戦するべきです。そのために「ALL JAPANとして結束して大きなコミュニティを構築し、学生の国際進出の足がかりを作ろう」というコンセプトで企画・実施されたのが、「石油開発 夏の学校」です。
さて、悪天候の中開催した「石油開発 夏の学校」ですが、非常に有意義な時間を過ごせたと思います。研究発表では、多くの質問が飛び交い、活発な議論がなされました。懇親会では大学、学年の垣根を越えて盛り上がり、ハイライトのグループワークでは「開発後期の油層に対して、あなたなら今後の開発計画をどのように立てるか。」という課題が与えられ、グループごとに議論し発表しました。夜中の2時過ぎまでメンバーと発表資料を作成するという予想だにしない展開になりましたが、これが正解といった答のない問題に頭をフル回転させて取り組みました。
初回ということもあり、今回は石油開発の中でも、企画、運営の中心を担った油層工学を専門とする学生が大半でしたが、今後は地質や物理探査の学生の参加も促し、さらに活動を活発なものにしていく予定です。
「石油開発 夏の学校」
2016年に発足した合宿型交流会。石油開発を学ぶ学生が主体となり、企画・運営をする。交流会の目的は以下の3つ。
- 共に学ぶ時間を共有し、大学間の学生交流を深める。
- 学生ネットワークを形成し、ALL JAPANとして国際的な学生交流を行う礎を築く。
- 分野を横断する広い視野を身に付けるとともに工学的なセンスを学ぶ。
2016年度は、研究内容の発表、講義、企業の方による講演会、グループワーク、懇親会等を実施した。