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長谷部恭男教授が第80回毎日出版文化賞を受賞しました
- Posted
- Wed, 04 Nov 2026
長谷部恭男教授が、著書「君主制原理」(有斐閣、2026年8月刊行)により、第80回毎日出版文化賞を受賞しました。
毎日出版文化賞は、敗戦から間もない1947年、日本の出版文化の向上を願って創設され、予選選考と最終選考会を経て受賞作が決まります。
詳細はこちらのウェブサイトよりご確認ください。
著書「君主制原理」について
【著者】長谷部 恭男
【出版社】有斐閣
【出版年月】2026年8月
【ISBN】9784641229037
*出版社のリンク:君主制原理 – 有斐閣
長谷部教授による紹介文
『君主制原理──その生成、終焉、そして遺産』のテーマである君主制原理は、大日本帝国憲法第4条「天皇ハ国ノ元首ニシテ統治権ヲ総攬シ此ノ憲法ノ条規ニ依リ之ヲ行フ」に示された原理です。国の統治権は天皇がすべて掌握しているが、その行使にあたっては、天皇自身が制定した憲法の条文通りに行使するという考え方で、日本では天皇主権原理と呼ばれます。憲法の起草にあたった井上毅等がドイツ諸邦の憲法を参考にして採り入れた原理ですが、起源はさらにフランスの1814年憲章前文に遡ることもできます。
本書の第二のテーマは、国家法人理論です。19世紀後半のドイツで成立したこの理論は、国家を国民をメンバーとする社団法人としてとらえることで、国家をめぐる法現象を首尾一貫した形で説明しようとします。日本でこの理論を唱えた代表的な学者は美濃部達吉です(私の憲法の先生の先生の先生にあたる人です)。国家法人理論からすると、議会や国務大臣や裁判官は、法人である国家の機関であり、天皇もやはり法人の定款に相当する憲法により権限を与えられた機関だということになります。天皇の地位は憲法によってはじめて定められるというわけです。
この考え方は、天皇が憲法以前の存在であって、憲法の制定は天皇自身による自己制限に他ならないという君主制原理と真っ向から対立します。ただ、1935年の天皇機関説事件は、君主制原理と国家法人理論の対立の結果として起こったものではありません。実際にそこで対立したものは何か、さらには、日本が敗戦した結果は、八月革命説が主張するように、憲法制定権力が天皇から国民に革命的に移転したことなのか。そうした問題が、本書では扱われています。