School of Law早稲田大学 法学部

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オンラインも対面も、早稲田の「つながり」が学びの可能性を広げる

2020年度、新型コロナの影響により、早稲田大学では春学期すべてがオンライン授業となりました。法学部では秋学期に対面授業を一部再開し、1年生の60%(のべ履修者数/在学生数 比)に対面授業の機会を設けましたが、週あたりの対面授業数はごく一部です。そんななか、法学部で学ぶ学生と教職員はどんな考えのもとで授業と向き合い、どう学びを深めているのでしょうか? 早稲田大学法学部での現在の学びの様子について、それぞれの立場から話を聞きました。

稗田雅洋教授:「横と縦に広がる『人のつながりの多様性』」

対面とオンラインの併用授業、ディスカッションを生かした授業に

私が担当するのは、1年生を対象にした「1年法曹演習」という授業です。2020年度から法律実務家になるまでの時間的・経済的負担を軽減するため、学部3年間+法科大学院2年間の5年一貫教育で学ぶ「法曹コース」が新設されました。このコースに新入生の皆さんが円滑に入れるよう、民法や刑法の基本的な問題を扱いながら、法律的な物事の考え方や思考方法、法律的な文章の書き方、判例の読み方などを学んでいく科目です。

この科目が先行スタートした2019年度は、教室で20~30人の学生を相手に質疑応答やディスカッションで理解度を確かめながら授業を進めていました。今学期はコロナの影響を受け、対面参加とオンライン参加、どちらも選べるハイフレックス形式の授業を採用。オンライン参加の人たちだけでグループ討論の機会を設けるなど、対面参加の学生と差が出ないようなさまざまな工夫を取り入れています。

秋学期開始前は、オンライン希望の学生が多いかと予想していましたが、事前アンケートで「できる限り対面授業をしてほしい」という希望を多くもらい、毎回を対面授業とすることにしました。対面での学びが限られているせいか例年以上に熱心に参加する学生が多く、レポート提出も積極的です。

早稲田は自由度が高く、幅広い可能性を持った大学

早稲田の法学部の特徴といえば、やはり日本有数の教員がどの科目でも揃っていることでしょうか。私自身、裁判官出身で約30年間、刑事裁判分野を担当してきました。私以外にも長く実務を重ねてきた教員が多く、法律実務家になりたい学生のニーズにも応えられるのではないかと思います。

また、早稲田は選べるカリキュラムの自由度が高く、幅広い可能性を持った大学です。自分のやりたいことが明確な学生なら、その目指す進路に沿ったカリキュラムを選ぶこともできますし、入学後でもやりたいことが見つかりやすい環境である、と言えます。

多様な教員とカリキュラムがある、といったメリットだけでなく、学生同士や先輩諸氏とのつながり……横と縦に広がる「人のつながりの多様性」も本学ならではの魅力です。私自身も早稲田大学法学部を卒業して法律実務家の道に進みましたが、大学時代の友人・先輩との交流は今もあり、さまざまな分野に人脈があることが役立つ部分は間違いなくあります。

来年度以降、対面授業とオンライン授業の割合がどう変化するかはまだ未知数ですが、裁判のIT化・デジタル化は法曹界としても話題のひとつであり、諸外国に比べて遅れを取っている部分です。その意味で、今の困難期も新たな体験をする好機である、と捉えることもできるはず。可能性に満ちた大学をフル活用して、自分の人生設計に役立ててください。

岩浪花依さん:「どんな状況でも、積極的になればなんでもできる」

励みになるOB・OGとの交流の場

私は、北海道出身で今春入学しました。高校生のときに見たドラマがきっかけで法曹の世界に興味を持ち、検察の仕事への憧れから法学部に進みたいと考えました。そのなかでも早稲田を志望したのは、「法曹の世界はつながりが大事」と思ったからです。早稲田のOB・OGには著名な方も多く、そのつながりを生かした企画を在学中から体験できることに魅力を感じました。

そのひとつが、毎年恒例のオープンキャンパス企画「行列のできる?! 早稲田法律事務所」です。早大卒の弁護士団と学生弁護士団が有罪か無罪かを徹底討論する、というもので、今年はオンライン開催で参加学生の募集があり、この機会は逃せない!と積極的に参加しました。

また、先日は検察庁に訪問する企画もありました。憧れの検察庁はかっこよかったです(笑)。早大卒の検察官との懇談では、質疑応答を通してイメージもより具体的になり、今後の勉強へのモチベーションも上がりました。

このほかにも、若手弁護士と触れ合うオンラインミーティングなど、コロナ禍の状況であってもいくつもの交流の場があります。「つながり」を求めて早稲田を選んだ私にとって本当にありがたく、励みになる環境です。

可能性が広がるオンライン授業

現在、対面授業は1コマだけで、その他はすべてオンライン授業です。もっと対面授業が増えて欲しい希望はありますが、オンライン授業にもメリットを感じています。リアルタイム受講が必要なもの以外、自分で視聴時間を選べるのは、学生時代をどう過ごすかという意味で可能性が広がるからです。また、何度でも視聴できるため、内容の理解や自分の考えを深めることができたと感じています。

さまざまな企画や授業を通して感じることは、「どんな状況でも、積極的になればなんでもできる」ということ。オープンキャンパス企画に関しては、むしろコロナ禍でなければ参加しようと思わなかったかもしれません。私のなかでは挑戦でしたが、思い切って参加したことで視野が広がりました。

また、早稲田には「このような状況でも友達がほしい! 一緒に勉強したい!」と考える学生が大勢います。他大学に進んだ友人の話を聞く限り、サークルに参加している学生の数も、早稲田はより多い印象があります。春学期中はずっと実家にいたのですが、私自身、授業外でも連絡を取り合い、一緒にzoomで勉強をする友人ができました。隣にいないだけで、ほぼ会っているようなやりとりは可能です。秋学期になって、対面で授業を受けたときは「隣に人がいる!先生が直接みえる!」と感動しましたが(笑)。ただ授業自体については、私に関してはオンラインでも対面でもそこまで差はないと思いました。もし今の受験生が「オンラインでもしっかりした授業を受けられるのか」という不安があったとしたら、そこは大丈夫と断言できると思います。

もちろん、早く友人と一緒に対面で授業を受け、終わったら一緒にワセメシへ……といった、思い描いていた学生生活にも憧れています。先日、早稲田界隈の名物フードである油そばを初めて食べて、「これが噂に聞いた味!」と感動しました。油そば以外にも有名なお店はたくさんありますので全部行ってみたいですね。そんな日常を楽しみに待ちつつ、今できることを精一杯頑張りたいと思います。

授業をサポートする立場から:「先進的な取り組みがベースにあるのが早稲田の強み」 職員 鈴木紳&中里潔人

皆さんにとって少しでも充実した学生生活になるように

鈴木 今年の春に早大を卒業し、職員として授業をサポートする側に立っています。秋学期から実施している対面とオンライン併用のハイフレックス授業は、法学部として初めての取り組みなので、スムーズに進行するようにサポートをしています。これから進路を選ぶ受験生のなかには、「オンライン授業なんてどこも一緒では?」と疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。ですが私自身、この大学で学んできた一人として、対面参加・オンライン参加それぞれの学生に寄り添い、先生方の視点も考慮して、日々の授業サポートや学生生活支援に臨んでいます。

中里 とくに稗田先生の場合、授業資料や視聴覚動画の見せ方に気を配られています。その際に、今年度から導入された授業支援システム「Waseda Moodle(ワセダ ムードル)」を活用されています。授業支援者としてこのシステムの仕様を把握しつつ、もっと法学部ならではのより良い方法もあるのでは、と日々模索しながら対応しています。

授業支援システムをはじめ、早稲田大学では学生や授業にとって必要なことを常に考え、先進的な取り組みをしてきました。対面とオンラインを併用するハイフレックス授業も、学内の大学総合研究センターなどで以前から取り組んできた蓄積をもとに進めています。そうした知識やノウハウをベースに新しい形の授業ができるのは、早稲田としての大きな強みではないでしょうか。

鈴木 授業サポート以外でも、法学部としてオープンキャンパスなどの企画を考え、準備することも私たちの業務です。昨年度まで実施できたことをオンラインでどうすれば実現できるか、さまざまな企画を検討しています。皆さんにとって少しでも充実した学生生活になるように、これからも万全の態勢を作っていきたいと思います。

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