School of Law早稲田大学 法学部

日本の法体系を学びに

日本の法体系を学びに

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在学生インタビュー

法学部2年 段 皓文 (ダン コウブン) さん

2016年4月法学部に入学。日本語の学習経験のない中、日本で法律を学びたいという強い思いで渡日。早稲田大学法学部では優秀な成績を修め、何事にも果敢に挑戦し続けている段さんに話を聞いた。

法に興味を持ったきっかけ

母が裁判官をしており、小さい頃から法律は身近なものでした。
母の仕事で法律に興味を持っており、法学部への進学は決めていました。

早稲田大学への進学

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大隈銅像前にて

早稲田大学は中国でも有名です。1890年代から中国からの学生を受け入れていることも多くの人に知られています。大隈講堂では中国の有名な政治家や研究者の講演が行われており、早稲田大学に通ってみたいと思うようになりました。

日本での生活

-辛いと感じた時期もありました-

最初はほとんど日本語が話せず、とても不安でした。来日して1年はほぼ毎日、中野の区立図書館に行き、日本語の勉強に励みました。辛いときは、周恩来元総理や他の先輩留学生たちが日本に留学した際の日記や体験記などを読んで自分を励まし、頑張りました。

来日から半年後、中野区成人式の運営ボランティアスタッフに参加させてもらう機会があり、スポンサー企業や中野区職員の方々と一緒に仕事をしました。生きた日本語を学べ、また日本文化を体験でき、とてもいい経験となりました(その時の記事 https://nakano.keizai.biz/headline/863/ )。

今では一人旅行や、大学の友人と過ごす休日など、日本を満喫しています。

法学部の授業

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ハワイ大学スタディツアーにて-左から2番目が段さん

1年生の時(2016年)に履修した中村先生の導入講義がとても思い出に残っています。
体験学習に重きを置いた入門科目でしたが、レポート課題が難しく、まだ日本語が不得意であった私にはとても時間のかかる、苦労するものでした。ですが、なんとそのレポートは最高評価を受け、クラス内での表彰、また先生からは本もいただきました。そのレポートといただいた本は今でも大切に保管しており、自信として、今後の励みにもなっています。

憲法(中島徹先生)の授業もとても面白いです。先生は黒板を使わず、私たちに訴えかけ、考えさせるような授業をされます。日本の憲法を100%理解することは難しいですが、中国でまだ接する機会がない立憲主義と法的考え方の習得が大事だと思っています。

-自主的にスタディーツアーにも参加-

1年生の時(2016)に参加したハワイ大学ロースクールへのスタディツアーも、貴重な経験でした。実際のアメリカ法体系を身近で感じることができ、またトランプ大統領の入国禁止令に必死に反対する全米の先駆けとしての司法長官チェンさんと面談する機会もいただきました。とても充実した2週間で、スタディツアーで知り合った学生とは今でも仲良くしており、参加できて本当によかったと感じています。

私は法律そのものだけでなく、法体系や司法制度、裁判制度に興味があります。今後、日本や中国の法体系を学び、英米法や比較法、国際法から、より良い法制度の在り方について研究をしたいと考えています。

法とは

-法とは社会の均衡を保つもの-

法に対する私の知識はまだ浅いですが、法とは絶対公正なものではなく、社会の均衡を保つためのものなのではと考えています。法の根源には、“支配”と“社会の妥協点”とがあるのではないでしょうか。

例えば、過去「法治主義」の下にナチスドイツにあった「殺人」の悪法も「法」ですが、今の主流は「法の支配」に変わってきていると思います。つまり、内閣、自衛隊、政党などの統治機構あるいは政治団体の全ての行為は「憲法」に従わなければなりません。

一方で、絶対理性的な完璧な法はなく、だからこそ法は何度も修正されています。法は、各グループ、社会階級の意思を代表し、利益を調和しようとしますが、その時代の政治や民意によって左右されます。各階級の妥協点が法となるのです。
人の自己利益や国益との矛盾がなくならない限り、法は絶対公正に達することはないですが、社会の均衡を保つことができれば足りるものであると考えています。

 

私にとって、“法を学ぶこと”とは期末試験や司法試験のための機械的な条文暗記ではありません。

ケースを読み、自分が当事者になりながら、判例のプロセスを繰り返し考えることで、法の考え方を習得しています。
私は機械的暗記はせず、過去問もあまり使いませんが、この判例の積み重ねで、まだ単位を落としたことはありません。

法学部の学生の特徴の一つに、物事を多面的に分析し、正反対の立場両面から弁論することができることが挙げられます。
法学部の卒業生全員が法曹に進み、弁護士となるわけではありませんが、間違いなく、私も口論では負けない自信があります。(笑)

休みの日の過ごし方

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真ん中が段さん

-法律の話はせず(笑)楽しく過ごしています-

法学部の授業についていくため、休みの日でも勉強することが多いですが、時間があるときは近所の公園に行ったり、海辺を散歩したり、自然に触れています。日本の地方都市や海、自然が好きで、長期休みには一人で四国や九州に行き、ローカル鉄道や船に乗って一人旅行を楽しんでいます。

大学の友人とは、一緒にジムに行って筋トレをしたり、映画を観に行ったり、法律の話をせず(笑)楽しく過ごしています。

将来

将来はまだ考え中ですが、研究職に進みたいと考えており、博士課程に行きたいです。日本の法体系の知識をより多く身に付け、近い将来はイギリスやシンガポールでコモンローを学びたいと考えています。

新設修士(LL.M.)

今は学者を目指しているので、博士課程に進みたいと考えていますが、より多くの留学生が法学学術院に来ることを期待し、LL.M.の開講を楽しみにしています。日本の学生は、公務員試験や司法試験の勉強で忙しいですが、私のような海外からの留学生と日本の学生が法体系について議論したり、お互いの文化を分かり合い、話し合ったりできる機会が、LL.M.によって増えることを期待しています。

waseda

早稲田大学法学研究科では2018年4月より一年制修士課程(LL.M.コース)を開講します!
Graduate School of Law will launch its new one-year English based master’s program called “the LL.M. in Asian Economic Integration and Law” in next spring, April 2018.【URL】https://www.waseda.jp/folaw/glaw/en/admission/

2017年9月25日 法学部

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