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中村 隆之教授が『エドゥアール・グリッサン 〈関係〉の詩学思想』を上梓しました
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- Mon, 02 Mar 2026

中村 隆之教授の著書『エドゥアール・グリッサン 〈関係〉の詩学思想』が2026年2月に(株)水声社で刊行されました。
【著者】 中村 隆之
【出版社】 水声社
【出版年月】 2026年2月
【ISBN】 978-4-8010-0966-0 C0398
*出版社のリンク:blog 水声社 » Blog Archive » 2月の新刊:エドゥアール・グリッサン——〈関係の詩学思想〉《知の革命家たち》
中村 隆之教授による紹介文
本書はカリブ海のフランス語作家エドゥアール・グリッサン(Édouard Glissant 1928-2011)を対象とする。本書が収録された水声社のシリーズ「知の革命家たち」は2026年1月から刊行が開始され、毎月3〜5点を刊行し、全体で250巻ほどになる大型企画である。本書はその一冊として2026年2月に刊行された。
本シリーズは評伝と評論の二つのパートから成り立っており、執筆者は対象とする人物のいわゆる専門家である。実際、私に専門的知識があるとするならば、それはおそらくこの作家について最も当てはまる。しかも、このシリーズが野心的であるのは、専門家が書く入門書というよりも、最新の知見を盛り込んだ研究に基づく専門書の性質を要求することだ。
160頁足らずの小著のなかに、グリッサンのエッセンスをできるかぎり書いたつもりだ。グリッサンが21世紀の学知に大きな足跡を残すとするならば、奴隷貿易・奴隷制の歴史を背景にしたところから、〈関係〉(Relation)という単語から世界の諸現象を把握したことにあるだろう。人も、物も、この世界も〈関係〉の織物であり、だからこそ可変的にして流動的である。その世界のあり方を直視し、より良い関係のあり方を提示し続けようとした作家にして思想家だった。
私たちに必要なのは、グリッサンが考えたような〈関係〉に基づく世界理解である。定義や解答は、学問作法というルールに則ったところから導出される。だが、よくよく考えてみれば、一義的には確定できないのが世界の諸現象だ。そういった種類の知の探究を経験し、答えのない問いを知ることが、本当の意味での学びであると思う。広大な知の冒険の誘われて本書を手に取っていただければ幸いだ。
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