教員からのメッセージ
萬歳 寛之 教授
国際法を専門とする法学者。同大学法学学術院教授。国際法学会理事。外務省 日EU関係賢人会合委員、日本台湾交流協会 日台若手研究者共同研究事業・国際法部門(座長)。2016年に安達峰一郎記念賞受賞。著書に「国際違法行為責任の研究」(成文堂)など。
主な担当科目:国際法、国際社会と法、主専攻法学演習(国際法)
その国の中で守られる国内法に対し、私が専門とする国際法は、簡単に言えば、国と国との間で取り決められた約束事になります。海外に楽しく旅行できるのも、他国からの侵略を意識せずに心穏やかに生活が送れているのも、国際法によって守られているからです。また、国際法は、「SDGs(持続可能な開発目標)」や「サプライチェーンにおける人権保護」などの社会課題に関わっているので、ビジネスの現場でも無視できません。こうして見ると国際法は、国際社会の未来を担う世界共通の羅針盤・インフラであることが良くわかります。特に国際法の場合、約束を破る行為そのものが、侵略戦争やテロ行為に象徴されるように、由々しき事態を招きやすい。普段はその重要性に目を向けられにくいですが、涙の数を一つでも減らして私たちが怯えず安心した暮らしを叶えるための枠組みを確保する。これは、国際法の大きな存在意義の一つです。
その一方で、法律が存在するということは、必ずその法を犯す人なり、国があることの証しでもあります。私たちの治安や生活を守るにはどうすればいいのか。これを突き詰めて考えることが、国際法ひいては法律を学ぶ醍醐味でもあります。
他国への侵攻や経済格差など、国際社会は混迷かつ複雑で、その安定は脆くはかない。だからこそ国際法を通して、現代の国際社会に吹いている風を理解して、さらに風の吹かせ方についても学ぶ。社会の荒波を乗りこなす上でとても意義のあることだと考えています。
(2024年6月時点の情報です)
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