2024年度 早稲田大学法学部横川敏雄記念公開講座
「企業犯罪をどのように回避するか
ー経済刑法の観点からー」
日程:2024年6月8日~7月20日 毎週土曜日開催 全7回
開催方法:早稲田大学早稲田キャンパス8号館B-107教室(全回対面のみで実施となります)
現代社会は企業社会です。私たちは、企業活動と無関係に生活を送ることはできません。企業が提供する商品やサービスによって、私たちは豊かな生活を送ることができます。ただ、企業社会が発展すればするほど、企業の構造は複雑化し、それゆえにさまざまな事件も起こってきます。悪質商法、粉飾決算、カルテルなど、企業犯罪と呼ばれる不祥事が、しばしば世間の耳目を集めることになります。そして、私たちは、こうした企業犯罪についての報道に接するわけですが、その実情については、意外と知らないことが多いようです。この講座では、こうした企業犯罪の実情を紹介しつつ、いかにして企業犯罪を回避することができるか、経済刑法の観点から、検討していきます。コンプライアンスや危機管理に関わっているビジネスパーソンの方々、企業不祥事に関心を持つ市民の方々、ビジネス法や刑法を学ぶ学生の方々など、多くの方の受講をお待ちしています。
予 定 時間は7回とも13:10~14:50(3限)
6月8日(土) 1.企業犯罪と経済刑法の総論的考察
講座の最初に、企業犯罪とは何か、経済刑法はどのような性質を持っているのか、どのようにすれば企業犯罪が回避できるのか、全体的なイメージをつかんでもらうため、総論的に講義します。
早稲田大学法学学術院教授 松澤 伸
6月15日(土) 2.企業の組織構造と刑事責任
企業犯罪と刑事責任の問題を、企業の組織構造との関係で考えます。また、最近の海外の企業犯罪を巡る立法や我が国の人事制度改革の動きが、企業犯罪や従業員・企業の責任にどのような変化を与えるのかについても考えてみます。
東京都立大学都市環境学部教授 白石 賢
6月22日(土) 3.悪質商法に対する規制と消費者保護
悪質商法から消費者を守るためにどのような法律が用意されているのかを、刑法の観点から取り上げます。商売を行う側として気を付けることだけでなく、消費者として自分の身を守るために注意すべきことも考えてみます。
早稲田大学法学学術院教授 田山 聡美
6月 29日(土) 4.不正な経営判断
会社の経営者が不正な経営活動を行った場合には、どのような犯罪が問題となるのか、また、どのような場合であれば、単に損害賠償の請求だけではなく、犯罪として処罰することが許されるのかについて考えていきます。
中央学院大学法学部准教授 木崎 峻輔
7月6日(土) 5.企業の不適切な資産情報開示に対する刑事規制
企業が資産情報を正しく開示することにはどのような意味があるのか、虚偽情報を開示した場合には、どのような刑事規制が待ち受けており、関係する人々や企業がどのように処罰される可能性があるのか、についてみていきます。
東洋大学法学部教授 小野上 真也
7月13日(土) 6.企業の脱税に対する制裁
企業が税金逃れをした場合、その企業やそれに関わった個人には、どのような制裁が科されることになるのでしょうか。行政制裁と刑事制裁の違いを意識しながら、企業の脱税事件に対する制裁の問題についてみていきます。
国士館大学法学部教授 岡部 雅人
7月20日(土) 7.カルテル規制のこれまでとこれから
カルテルを禁止する不当な取引制限罪(独禁法)をとりあげます。これは「死文化していた」時期もありましたが、今では自由な競争にもとづいた経済秩序を守るために活用されています。リニエンシー制度等も解説します。
富山大学経済学部准教授 辻本 淳史
- 事前予約不要です。どなたでもご参加いただけます。
- 文字通訳、手話通訳、場内誘導、座席の確保、お子様連れでの参加等について配慮をご希望の方は、原則として開催日の4週間前までにご希望の内容をお知らせください。ご相談のうえ、できる限りの対応を検討させていただきます。
- 問合せ:早稲田大学法学部 [email protected]
【主催】早稲田大学法学部
(2024年5月10日更新)