Graduate School of Letters, Arts and Sciences早稲田大学 大学院文学研究科

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世界ハンセン病デーの早稲田大学

毎年1月の最終日曜日は世界ハンセン病デーと位置付けられており、世界各地で啓発イベントが開催されます。早稲田大学では「世界ハンセン病デー特別企画 ~明日に架ける橋~ 朗読劇あん」を上演し、400名を超える方にご来場いただきました。

世界ハンセン病デー特別企画 ~明日に架ける橋~ 朗読劇あん

第1部では、早稲田大学の「ハンセン病問題支援学生NGO橋-Qiao(チャオ)」の学生達が登壇し、卒業生のドリアン助川さんと共にシンポジウムを行いました。

チャオは年に2回、中国各地にあるハンセン病元患者の村に行き、道路舗装や水道管の補強など、インフラ整備などの活動を10年前から続けています。隔離された村に到着する学生を歓迎する元患者の皆さんの笑顔、チャオと中国人学生協働で土木作業中に取り組む姿、元患者の皆さんと学生達が楽しく酒を酌み交わす様子などが大隈講堂のモニターに次々と映し出されました。チャオの学生達は、元患者の死に向き合ったショック、(隔離政策で長い間家族に会えなかった)元患者からかけられた「家族を大切にしなさい」という言葉の重みなど、活動を通して感じたことを来場者に語りかけました。

 

第2部の「朗読劇あん」は、ハンセン病元患者の人生やハンセン病に対する世間の無理解をテーマに書かれた小説「あん」が原作です。原作者・ドリアン助川さんと女優・中井貴恵さん(共に早稲田大学卒)の透明感溢れる声とピクルス田村さんのギターの音色を聴いていると、情景が次々と浮かび、大隈講堂内が澄んだ空気に包まれたような錯覚すら覚えます。小説「あん」とも映画「あん」とも異なる感動のラストを迎え、感動の涙と大きな大きな拍手で朗読劇は幕を閉じました(エンディングでは感動的な仕掛けが用意されていましたが、是非、その目でお確かめいただきたいので、ここでは伏せておきます)。終演後、「『朗読劇』ってつまらなそうだと思ったけど、試しに来てみたら、全然違いました。もっと早稲田の学生も見に来るべき!」と語る早大生。確かに「朗読劇」と聞いても、どんなものなのか想像がつきにくいかもしれません。「見れば分かります」としか申し上げられないのが残念です。

また、講堂内ロビーでは「ハンセン病を考えることは、人間を考えること。」をテーマに、日本財団の富永夏子フォトグラファーが、ブラジル、インド、ベトナム、エジプト、モロッコ、コンゴ民主共和国、ロシアなど世界各国で撮影した写真約40点を展示し、多くの来場者の関心を集めました。

来場した早大生から寄せられた感想

朗読に「あん」の作者であるドリアン助川さん自らが参加することで作品の意図がとても強く伝わってきました。周りの人間の無知により絶望的な状況に置かれたハンセン病元患者の生き方を通して、自らの置かれたどうしようもない状況を諦め受け入れるだけでなく、その状況に囚われず、なにができるのかを自分から探していくことが大切なんだなと感じました。そしてハンセン病の患者や元患者を少しでも救うには周りの人間の理解が必要だと感じたので、これから少しずつでも理解を深めていきたいです。(社会科学部1年・冨田知宏さん)

初めて朗読劇を鑑賞したのですが、小説や映画では、表現する事の出来ない、生身の人間ならではの、息遣い等の表現の仕方に大変感銘を受けました。また、哀愁漂うギターが朗読と噛み合っていて映像がない朗読劇にとっての音楽の効果に気が付きました。また、シンポジウムを含め、ハンセン病に対する理解が深まりました。私達と同じ学生がこうした活動に励んでいる事実を知る事が出来た事は大変刺激になり、充実した時間を過ごす事が出来ました。(文化構想学部1年・三村舞さん)

朗読劇を観たのは初めてでしたが、美しいギターの音色と演じ分けられたお2人の声を聞いてまるで目の前にどら春やハンセン病療養施設があるかの様な感じがして、夢中になって最後まで観させていただきました。ハンセン病についての知識は殆どありませんでしたが、前半のシンポジウムや朗読劇で、今も昔もハンセン病の患者達が症状や世間からの目に苦しんでいる事を知り興味が湧きました。「あん」の原作も是非読んでみたいです。(創造理工学部1年・中野侑紀さん)

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