School of Culture, Media and Society早稲田大学 文化構想学部

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「異なる文化を背景に持つ相手への“伝える工夫”を多角的に考察する(小田島 恒志 文化構想学部教授)

ご専門の分野について教えてください

D.H.ロレンスの小説・戯曲を中心に、モダニズムから今日にいたる現代英文学を研究しています。研究活動と並行して、日本で上演される外国戯曲の翻訳も手掛けています。日本とは異なる文化に基づいて書かれた脚本を日本の観客に伝わるように訳すには、単に翻訳するだけでなくさまざまな工夫が欠かせません。しかし一方で、セリフの訳に「大の字」や「すし詰め」といった言葉を安易に使うと、作中の人物が漢字やすしを知っていることになり、不自然さが生じてしまいます。原文の会話を活かしつつ、その面白さをいかに伝えるかに頭を悩ませますが、工夫する過程は楽しく、劇場で観客に伝わったことを実感できたときの喜びもひとしおです。

 

「伝える工夫」は、担当する異文化受容論ゼミでも重要なテーマになっています。このゼミでは、異文化に触れる際に起こり得る大小のずれと、それを埋める伝え方の工夫について考察します。学生に求めるのは、対象について調べて分析するだけでなく、「それに対し自分はどう思うか」「なぜそう思うと言えるのか」を論理的に説明することです。そのためには根拠が必要となり、説明材料として歴史や心理学などほかの学問分野の知識や視点が活きてきます。既存の枠にとらわれない文化構想学部の学びの醍醐味を味わいながら、より効果的な伝達法や表現法の可能性を探究してほしいと思います。

 

小田島先生にとって学生時代のターニングポイントは?

早稲田大学で英文学を専攻した学生時代は、ひとことで言えば「人間とは何か」を学んだ歳月でした。その学びは、自分自身が現実で愛だの恋だのに頭を悩ませたり、人との関係の中で悔しさに涙したり、あるいは歓喜したり、そうした実体験と結びついて初めて、本当に意味を持つものだったように思います。周りには多種多様な学生がいて、付き合っていく中で、思いもしない相手の一面を垣間見ることもありました。その経験を通して、「人に決まったパターンなどない」「何だって起こり得る」と学んだ気がします。その意味で、早稲田大学で過ごした一日一日が、小さなターニングポイントの積み重ねだったのかもしれません。

 

ゼミ生のコメント

小田島ゼミは、ゼミ論文のテーマが完全に自由。そのため授業では、ジェンダー、お笑い、奴隷制、コーヒー、アメコミ、化粧品、地域活性化などなど、ゼミ生の興味関心に沿った多彩な題材についてディスカッションしています。

(文化構想学部 多元文化論系4年 中村果恋さん)

 

 

 

興味関心の発展的な変化を応援してもらえる環境がこのゼミにはあります。やりたいと思うことや、自分から学ぶ意欲を持つ人にとって、楽しく実りあるゼミになること間違いなし!授業もほかの時間も、存分に楽しんでください。

(文化構想学部 多元文化論系4年 野村明史さん)

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