国際学術院の吉田知史准教授(写真1)の研究提案が、科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(さきがけ)の平成30年度新規研究課題に採択されました。
この事業は、社会・経済の変革につながるイノベーションを誘起するシステムの一環として、我が国が直面する重要な課題の達成に向けた基礎研究を推進し、科学技術イノベーションを生み出す創造的な新技術を創出することを目的としたものです。
吉田先生が採択された研究領域は、「細胞外微粒子により惹起される生体応答の機序解明と制御」で、細胞外微粒子に対する生体応答機序の解明や関連する技術開発、微粒子 の体内動態制御による医療や産業応用等に向けた基盤研究の推進を目的としており今回133件の応募から11件の研究提案が採択されました。
今回採択された吉田先生の研究テーマは、「細胞外小胞生成に必要な遺伝子の網羅的同定 とその解析」です。細胞外小胞はがん細胞の転移や悪性化および細胞老化に影響を及ぼすことが明らかになってきていますが細胞外小胞が生成される分子メカニズムはまだ解明されていません。そこで吉田先生は酵母細胞(写真2)を用いて細胞外微粒子形成に必須な全ての遺伝子を網羅的に同定し小胞生成の全貌解明を目指しています。
この研究の進展により、がん細胞の転移や細胞の老化を防ぐ新しい手法や疾患の新規バイオマーカーの同定など、病気の治療薬の開発やさまざまな疾患の予防への応用が期待されます。