School of International Liberal Studies早稲田大学 国際教養学部

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卒業生レポート(徳永 煌季さん)

2008年秋、リーマンショックを起因とする金融危機最中での就活。周囲が金融機関を避ける中、敢えて選んだ証券会社。志望動機は「どの様な仕事でも結局お金が関わってくるから、まずは金融でしょう」という単純なものでした。何か特別秀でている能力もなく、もの凄くこれがやりたいという仕事もなかった平凡な学生の私にとっては、これくらいの動機で十分でした。

卒業旅行で行ったボリビアでの一枚

卒業旅行で行ったボリビアでの一枚

今、私は証券会社で働いているサラリーマンの一人です。
米系大手銀行系列の証券会社にてデリバティブ業務に従事しており、メインに扱っているのは先物やオプションというシンプルなデリバティブです。ニュースなどで株価が急騰・急落した際に「日経平均が先物主導で急騰・急落」などのヘッドラインを目にする事がよくあると思いますが、その先物などです。商品は日本のものに限らず、グローバル企業という事もあり、世界中の商品を提供しています。欧米主要国はもちろん、中国・ブラジル・メキシコ・インド・南ア・トルコ・タイ・マレーシアなどの新興国の商品も取引しています。日々の業務は、グローバルで起こっているマクロ・ミクロ状況と金融市況などをお客様にアップデートする事、お客様からのオーダーを正確かつスピーディーに執行する事、そして様々なご要望にいち早く対応する事などです。金融の最前線にいる為、最新のヘッドラインには常に目を光らせる必要があります。例えば、政府要人の発言、ロシア・ウクライナ情勢、ブラジルの天候、インドの選挙、ソフトバンクの決算など、ありとあらゆる事にアンテナを張っておく必要があるのです。そして世界中にいる同僚と情報交換し、それらが株価や債券の値動きにどの様な影響があるのかを考え、お客様に発信するのです。お客様のタイプも多岐に渡っており、いわゆるメガバンク、信託銀行、投資信託などのメジャー金融機関から商社、ヘッジファンド、海外中銀などもカバーしています。お客様のタイプによって必要とされる情報・サービス内容、スピード、質など全て異なる為、的確に対応する事が求められます。グローバル企業が故に、様々な人が社内に在籍し、仕事も海外との連携が非常に重要です。様々なお客様がいて、様々な地域の商品を扱い、様々な価値観が溢れる企業に自分がきちんと順応できているのは、やはり国際教養学部で培ったグローバルな感覚や多様性に対する価値観のおかげだと思います。
大学時代は、部活やサークルには入らず、就活時もインターンはしませんでした。英語も帰国子女がたくさんいる国際教養学部では並以下ぐらいで受験英語レベルといった感じでしょうか。しかしいつ振り返ってみても学生時代は非常に充実していたと常々感じます。それはこの学部が与えてくれた最高の仲間と留学というチャンスのおかげだった思います。そしてそれらが大きな動機となり自分の人生を導いてくれたと感じています。仲間に関して言えば、卒業生と在学生全員がきっと口を揃えて言う事があります。「こんなに多種多様な素敵な仲間に出会えて自分は本当に幸せだ」と。それは多分皆が感じている事であり、ここで触れる必要さえないかもしれません。そんな仲間達がいたからこそ、自分の大学生活が満たされていたのです。色んな人がいて、色んな価値観がそこにある状態が当たり前の環境。自分はそんな恵まれた場所で4年間を過ごせた事を誇りに思います。また留学おいては、そのただでさえ恵まれていた素晴らしい環境から飛び出して、自分のホライズンをさらに広げるチャンスが与えられるのです。私はカリフォルニアの田舎にある小さな大学で1年間勉強しましたが、さすがのアメリカ、こちらもまた多種多様な人々がいて、様々な価値観が溢れ、毎日が刺激的でした。今でもはっきり覚えているストーリーがあります。ルームメイトがFBIでインターンする事になった際、なんとFBIのエージェントがバックグラウンドチェックの為にわざわざ学校の寮までやってきて、ルームメイトである我々をインタビューしに来たのです。たかがインターンされどインターンではありませんが、その仕事の徹底ぶり、そしてインターン生一人一人に対する真摯な姿勢には感銘を受けました。一方、勉強に関して言えば、内容こそきっと日本でも同じ様なものを受けられたかもしれません。しかし、留学先の生徒達の考え方や視点は日本人とまた違って非常に興味深いものでした。結果論にはなってしまいますが、留学する機会があったからこそ、就活では自然と外資系という選択肢が浮上し、そこでチャレンジする事がすんなり受け入れられたのだと思います。このようにして一人一人が世界中に散らばり、グローバルな感覚を養い、色んな価値観をさらに身につけて日本で再会する時、改めてこの素晴らしい環境に感謝する事になるのです。そしてこの仲間と経験が生涯の宝になり、この感覚が無意識に今の自分の仕事や生活で活かされているのです。

結びにはなりますが、スティーブ・ジョブズがスタンフォードで話した有名なスピーチの一部を引用して皆さんへのメッセージをさせて頂きます。普通の学生から普通のサラリーマンになり、私もやはり時々自分に同じ問いかけをする事はあります。そしてきっとどの様な道に進んでも、この様な疑問を抱く瞬間があります。その時はこれを思い出して、常に「新しい何か」にチャレンジして、自分の生活を豊かにしてほしいと思います。

If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do? Whenever the answer has been “No” for too many days in a row, I know I need to change something. – Steve Jobs

仕事を辞めて、全く別の事をスタートするだけが全てではありません。旧友と久しぶりに会ってお互いの「新しい話題」で盛り上がるのも、普段行かない様な場所に行き「新しい経験」をして「新しい友達」を作るのも、旅行で「新しい国」に訪れてみるのも、すべてchange somethingなのです。その瞬間ではchangeは起きないかもしれません。しかしそれがきっかけで後に人生が大きくchangeしているのかもしれないのです。

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