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- 2010年3月修了 ■陸 迎祺(LU YINGQI)さん ■経営専修
2010年3月修了
■陸 迎祺(LU YINGQI)さん
■経営専修
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- 2015年2月6日(金)
2010年3月修士課程修了
陸 迎祺(LU YINGQ)さん
(経営専修 経営システム研究指導)
2006年7月に中国上海での学部を終了して、9月に日本に参りました。1年半の日本語学校に通いまして、2008年4月に商学研究科に入学し、経営システムゼミに属していました。
早大商研への進学を決めたのはどのようなきっかけからでしたでしょうか?
学部終了後、周りの友達の殆どは働き始めましたが、私は続いて外国に留学することを選びました。その理由は、若いうちにもっと勉強してから仕事につきたいと考えたからです。そして、留学生の皆さんも同じような経験があると思いますが、両親とよく相談して、東京という大都市に決めました。
早稲田大学に進学しようと思ったのは、私にとって憧れの学校だったからです。その名は中国でもよく知られています。出身者には歴史上に非常に有名な方々もいれば、現在中国で活躍している方々もいます。勿論、早稲田大学を選らんだのは、有名な学校であることだけではなく、数多くの優れた経営者がそこで育てられ、経営者の育成地として世界でも有名であるからでしょう。父は上海で工場を運営していましたので、私も小さい頃からずっと経営者になりたかったのです。そういう訳で、早稲田大学商学研究科をただひとつの希望校として受けました。ただひとつの希望校ですので、落ちたらが最後という心の準備を持って、精一杯受験準備をしました。
修士課程入学試験対策はどのようにされましたか?
多数の留学生と同じく、日本に来て最初の1年半は日本語学校を通っていました。日本語をしっかりと勉強しないと、勿論大学院は夢みたいなものになりますよね。早稲田大学を希望校として決めた後、よく学校の先生と相談し、日本語の研究計画書を作成したり、早稲田のネットで受験したい教授の研究方向やゼミの紹介等を調べ、教授の書いた書籍も購入して、読んでいました。本を読むことで、先生の研究分野・経歴などもよく分かるし、自分のやりたい研究は先生のゼミでご指導を受けられるかどうかのも分かってきます。そして、英語の勉強も必須です。受験する際にも必要だし、入学後も驚くほど英語を使うことが多いからです。いよいよ試験直前の1週間になったときは、心理的な調整が大切だと思います。あまり無理して本を読むのは更に緊張感をもたらす可能性があると思います。でも、試験後に結果を待つ期間はもっとも緊張する期間ですね。
実際に入学され、学生生活はいかがでしたか?
正直に言いますと、2年間の学生生活は大変でしたが、自分自身が驚くほど成長したことに気づきます。日本に来て間もなく、日本語の勉強もまだ足りないような私にとって、最初の勉強は大変苦労をしました。授業に出ますと、ここの学生のレベルの高さを強く感じます。一時に「私は大丈夫かな」という心配もありましたが、先生の方々が丁寧に指導して下さりましたし、周りの日本人の学生も先輩たちも親切に助けてくれました。そして、ほかの多くの留学生たちと一緒に頑張って勉強することができました。このように、皆と一緒に成長することはとても楽しいんじゃないかと私は思います。
ゼミは、先生ともう一人のゼミ生との3名で行われました。人数の多いゼミも勿論楽しく勉強できますが、人数の少ないゼミもそれなりのメリットがあると感じます。先生との接触チャンスが多く、皆から研究についてのアドバイスを沢山もらえるからです。
修士論文はどのようなテーマで執筆されましたか?
修士論文は中小企業におけるステークホルダーの研究―日本とスペインの中小企業比較をテーマにして書きました。テーマを最終的に決めることは一苦労でした。先行研究は非常に大切なプロセスであることを感じました。進学を検討している方々、または修士1年の方々へのアドバイスとして、修士論文のための先行研究はできれば早く着手したほうがいいです。
論文のやりがいとして感じた点については、日本において、スペインの歴史・文化・音楽など様々な方面についての研究は多く行われていますが、スペイン経済・スペイン企業についての研究は非常に少ないのです。その中で、スペイン中小企業についての情報はさらに限られているのも事実です。修士論文を書くなら、私はどうしてもその分野の研究に少しでも貢献したいと考えました。そのため、多くのスペイン語の文献や資料を調べ、真のスペイン中小企業の実像を見つけ出し、本論文の研究の困難を乗り越えようとしました。その中の大変さはやる人しか分からないかもしれませんが、それこそが大学院での研究であるのだと、今はそういう風に考えています。
現在、大学院で学んだことをどのように活かされ活躍なさっているかについて教えてください
留学生の立場から、大学院で得たものは以下の3つが挙げられます。まずは、日本語能力とプレゼンテーションスキルです。毎日日本語を使うのは勿論、自分の勉強したい専門知識を授業、ゼミ、読書、プレゼンテーション等できちんと身につけられます。中国の大学でプレゼンテーションをやる機会は少ないのです。だが、プレゼンテーションスキルは将来の仕事では欠かせない能力であると思います。大学院でプレゼンテーションをするチャンスを充分発揮して、この必要となる能力をマスターするのが将来の仕事場で役に立つでしょう。
そして、もう一つは学習力です。勿論、皆様は学部までに既に一定な学習力を身につけましたが、大学院での更なる研究を通して、その能力も更に強くなるに違いありません。特に、修士論文を書くことは学習力も、分析力も、持続力も必要となります。その機会を通して、自分の能力をもっと磨くことができると考えます。
最後は国際的な環境です。早稲田大学では38カ国から来た留学生がいるそうです。日本人の学生にとっても、留学生にとっても、いろいろな国から来た人に囲まれている環境です。世の中がますますグローバル化している中、自分と違う文化や言語を持つ人との接触方法を勉強できる環境となります。
進学を検討されている方へ、メッセージをお願いいたします
若いうちにもっと勉強をしてから、仕事につくのも悪くないと思います。一旦社会人になったら、時間的な余裕が少なくなりますので、もっと勉強したくてもなかなかできないのもありえます。そして、大学院の更なる研究と勉強を通して、いろいろな将来では必要となる能力を身に着けるチャンスです。
しかし、大学院はいくらメリットがあるとしても、2年間の間に自分の研究したいこと、身につけたい能力が分からなければ、貴重な時間を無駄にしてしまう可能性もあります。なので、進学する前に、少なくともこの二つの点を考えておくことをお勧めします。そうしたら、大学院での生活を有意義に楽しむことができると思います。