「研究室を訪ねて」7回目の今回は、シンガポールにある早稲田バイオサイエンスシンガポール研究所(WABIOS)の北口哲也主任研究員 (研究院准教授)を訪問しました。
──緑に囲まれた、近未来的な研究室ですね!
「ここはシンガポールのBiopolisというバイオメディカル分野の研究開発拠点です。世界の企業や大学が入る中、日本の大学では早稲田大学が唯一入居しています。ノーベル賞級の研究者も近くに歩いていたりと、日頃から刺激を受けることがあります。」
──早稲田渋谷シンガポール校も近くにあり、シンガポールと早稲田はご縁がありますね。先生はこの場所でどのような研究を行っているのでしょうか。
「薬剤を使って、生きたままの細胞の中ではどのようなことが起こっているのか、色の反応をもとに調べる研究を行っています。薬作りのきっかけにもなる基礎研究です。」
──学生も研究に励んでいますね。
「そうなんです。シンガポール国立大学(NUS)や南洋理工大学(NTU)などからもインターンを受け入れており、学生同士のコラボレーション研究も多く、世界で勝負できる場所だと思っています。」
「私が主宰しているCell Signaling Groupの他にも、病気の診断や治療のための薬を、目的とする細胞や組織に効率的に届けるためのナノバイオ材料の研究開発を行うNano Biotechnology Group、細胞でみられる現象を物理的視点から理解するPhysical Biology Groupの研究などもこの研究所内で行っています。」
──最後に学生に向けて一言お願いします。
「私が学生や来訪の高校生に言い聞かせている言葉があります。パウエル(第65代)国務長官の言葉をお借りしてですが、“Always do your very best.Even when no one else is looking,you always are.Don’t disappoint yourself.” ──常にベストを尽くせ。誰も見ていなくとも、自分は必ず見ている。自分をがっかりさせるな。」
──ありがとうございました。
今月の早稲田川柳
マーライオン
吐き出す成果
色付く細胞(セル)