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WASEDA Startup Lounge スタートアップ創出を加速するラウンジが開設
スタートアップ創出を加速するラウンジが開設
Thu 08 Dec 22
スタートアップ創出を加速するラウンジが開設
Thu 08 Dec 22
アントレプレナーシップセンター「WASEDA Startup Lounge」オープニングイベント
2022年12月1日、早稲田大学はスタートアップ創出・支援拠点である「アントレプレナーシップセンター」の一部を改修。「WASEDA Startup Lounge」としてリニューアルオープンしました。
起業家の交流を促進するWASEDA Startup Loungeがオープン
今回の施設改修では、アントレプレナーシップセンターの一部を「WASEDA Startup Lounge」として新たに整備し、オフィス空間やコワーキングスペースを充実化。また、これまで有料会員に限定していた施設利用対象について、自由な交流が可能なフリースペースを設けることで、非会員の学生・教員にも開放しました。起業家同士の交流、さまざまな起業家教育プログラムの提供を通じて、起業を志す学生、教員、校友のスタートアップを加速していく方針です。
この日は、同施設内にてオープニングイベントおよび内覧会を開催。学内外の関係者などが多数集まり、大学発のスタートアップに向けたビジョンが共有されました。


第一線で活躍する校友実業家を迎え、オープニングイベントを開催
オープニングイベントでは、来賓として、株式会社メルカリ取締役会長、株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー代表取締役社長の小泉文明氏(2003年商学部卒業)、株式会社 Culmony代表取締役の岩澤直美氏(2020年国際教養学部卒)を迎え、「WASEDA Startup Lounge」のオープンを記念してテープカットを行いました。

テープカットの様子。左より、小泉文明氏、田中愛治総長、岩澤直美氏、青木隆朗理工学術院教授

早稲田大学の教旨の一つ「学問の活用」を実現させる場として、「アントレプレナーシップセンターを発展させたい」と意気込む田中総長
オープニングイベントでは冒頭に、田中愛治総長が挨拶を述べました。
「昨今のスタートアップにおけるムーブメントを受け、学生や教員による起業は増えてきています。早稲田大学では、小泉さんや岩澤さんのように、ビジネスの世界の各所で活躍されている皆さまの支援をいただきながら、本施設から未来の夢を語るアントレプレナーを輩出していきたいと考えております。2022年4月にはディープテック領域の創業投資に特化したベンチャーキャピタル『早稲田大学ベンチャーズ(WUV)』を創設し、すでに理工学術院・青木隆朗教授がCSOを務める株式会社Nanofiber Quantum Technologiesに出資するなど、盛り上がりを見せているところであります。WASEDA Startup Loungeの開所を機に、今後さらなる投資の活性化、スタートアップの創出を、早稲田大学としては強力に推進していきたいという考えです」(一部抜粋)


教員・校友・学生の起業家がピッチ
アントレプレナーシップセンターでは現在、教員・校友・学生が起業または起業準備を進める企業77社が活動しています。イベントでは、これらのアントレプレナーを代表する3名が、ピッチを行いました。
最初に登壇したのは、量子光学研究を専門とし、2022年4月に株式会社Nanofiber Quantum Technologiesを創業した理工学術院の青木隆朗教授。同社は日本初の量子コンピュータのハードウェア開発を行うスタートアップです。世界で唯一の実装方式である「ナノファイバー共振器QED方式」を基幹技術に、圧倒的な拡張性を備えた量子コンピュータの開発・社会実装を目指しています。
「巨大な産業へと発展しつつある量子技術の世界で、中心的な存在となるのが量子コンピュータです。GoogleやIBMといったIT企業が研究開発に巨額の投資を進めていると同時に、世界中で大学発のスタートアップが生まれています。当社は8月にWUVより2億円の創業投資を受け、企業活動を本格化させました。ディープテック領域における基礎研究の担い手として、モデルケースとなることを目指していきます」(一部抜粋)

「優秀な研究者が、その才能に見合った待遇と研究環境のもと、互いを刺激し合うことで能力を開花させる未来を実現したい」と語る青木教授

早稲田PoCファンドプログラムのサポートにより起業を決意したという青木氏
続いてプレゼンを行ったのは、2021年に設立されたハインツテック株式会社の代表取締役社長・青木睦子氏。大学院先進理工学研究科を修了した校友起業家であり、福岡県北九州市を拠点に活動を進めています。
「私たちはナノテクノロジーやイオントロニクスの技術により開発した製品・サービスを通じ、ライフサイエンスの発展に寄与することを目指しています。当社は早稲田大学北九州キャンパスの大学院情報生産システム研究科から出発したスタートアップです。私の起業は、理工学研究科大泊研究室の先輩である三宅丈雄教授の優れた研究成果、『早稲田PoCファンドプログラム』による事業化検証などのバックアップ、インキュベーションセンター(当時)における学生時代の活動など、早稲田のスタートアップエコシステムと密接に関係しています。今後は自社の技術によりさまざまな社会課題を解決していけるよう、事業を推進したいと考えています」(一部抜粋)
最後のプレゼンテーターは、現役学生である政治経済学部3年の日野真幸さん。「WASEDA-EDGE ギャップファンド・プロジェクト」に採択された株式会社Ubiqを創業し、メディアプラットフォームに関するビジネスを進めています。
「私が入学したのは2020年度。コロナ禍により大学内での活動が制限される中で、インターンにより自動車業界のメディア運営に従事した経験から、現代人の活字離れ、ユーザーの世代が異なる各メディアの世論形成、クリエイターの収益構造に課題意識を抱きました。それらを解消するプラットフォームを作ろうと、2022年の10月に起業。現在アプリケーションの構築を進めております。最年少のデカコーン企業を目指しているので、皆さまご協力をお願いします」(一部抜粋)

「WASEDA-EDGE ギャップファンド・プロジェクト」では100万円の資金提供を受けたUbiqの日野さん


多くの大学発ベンチャーが、この場所で育っていくために

ここ数年で起業に向けた動きが活発化しているという柴山所長
イベントでは結びとして、柴山知也 リサーチイノベーションセンター統括所長より閉会挨拶がありました。
「2001年にインキュベーションセンターを設立して以来、早稲田大学は約20年にわたり、学生や教員の起業家精神を涵養し、ベンチャー企業の育成に取り組んできました。そして、起業家精神の育成には、多くの人材が集まり、交流・相談ができる場が必要であることから、この度『WASEDA Startup Lounge』の開設に至りました。多くの大学発の起業家が、この場所で育っていけるよう運営していくので、皆さまぜひご期待ください」(一部抜粋)


イベント終了後は、WASEDA Startup Loungeの内覧会が行われました。施設内では、アントレプレナーシップセンターを活用する会員企業の事業内容の、パネル展示のほか会員企業4社によるデモンストレーションも行われ、アントレプレナーシップセンターの取組が、学外の関係者を含む幅広い人々に向けて紹介されました。オープン初日にふさわしい、未来共創の可能性を拡げるコミュニケーションが育まれていきます。

内覧会の様子

内覧会の様子

内覧会の様子

内覧会の様子
こうしてオープンイベントは無事に終了。アントレプレナーシップセンターでは今後も、イベントをはじめとした取り組みを積極的に推進してまいります。最新の情報につきましても随時発信しますので、ぜひご覧ください。