赤十字×早大 世界をよくするビジネス

2019年8月27日、早稲田大学日本橋キャンパスWASEDA NEOにおいて、赤十字国際委員会と早稲田大学の共催による公開セミナー『世界をよくするビジネス~アフリカにおける人道支援の課題と民間セクターへの期待』が開催されました。当日は、ペーター・マウラー赤十字国際委員会(ICRC)総裁、小林いずみ経済同友会副代表幹事、カレド・シェリフ アフリカ開発銀行副総裁、そして田中愛治総長と、人道支援の現場で現在一番ニーズの高い事業や、直面している課題などについて議論しました。

最初に、それぞれの立場から問題提起を行い、マウラー氏からは、「現地の人々は、物質的な支援を一方的に受けるのではなく、別の形の支援を求めています。彼らが欲しているのは、能力の向上や家族を養うための職、子どもたちへの教育、そして安全に暮らせる地域社会です。今ある苦しみから脱するには、自らの能力を伸ばして、雇用の創出に貢献することです」、シェリフ氏からは、「アフリカでは、原材料としてのコーヒー豆を輸出しているが、海外で加工されたコーヒーにお金を払って輸入しているという現実がある。その他の資源でも言えることだが、多くの商品の原産地であるにもかかわらず、アフリカ全体が世界から搾取されていると感じる」、小林氏からは、「日本では、人道支援とビジネスを結びつける方法が分からない企業が多い。また、アフリカ市場の先行きの不透明さもあるため、民間企業は進出しづらい」などの課題が挙げられました。

そうした課題を受け田中総長は、「どうやって現地の人々が経済的な自立を達成するのか。そして何故、そのことに早稲田大学が乗り出すのか。それは三大教旨で述べている大隈の言葉、『一身一家、一国の為のみならず。進んで世界に貢献する抱負が無ければならぬ』に起因しています。早稲田大学は、受入留学生数、派遣留学生数、そしてボランティアに従事する学生数が国内トップレベルに多く、こうした課題にアイデアを出していくべきなのです」と語りました。

左から、カレド・シェリフ アフリカ開発銀行副総裁、小林いずみ 経済同友会副代表幹事、ペーター・マウラー赤十字国際委員会(ICRC)総裁、田中愛治 早稲田大学総長、古谷修一 早稲田大学法務研究科教授

またマウラー氏の、「教育とイノベーションは、現地の人々が能力を開花させるカギとなります。また、人道支援において市場に基づくアプローチはとても重要です。日常を取り戻して、自立へと導くことができるからです」といった発言に対し田中総長は、「総長就任時から発信している、”たくましい知性”と”しなやかな感性”は、世界にいる多様な人々の中でビジネスを行う際に必要であり、そうした能力を持った学生を育てていきたい」と答えました。

セミナー最後の挨拶で田中総長は、「早稲田大学には、ボランティアをやろうという学生と、起業してビジネスしようという学生は、それぞれたくさんいますが、人道支援のためのビジネスをしようというマインドの学生はまだそれほど多くはいません。これからはそういう学生も育てていきたいです」と目標を語りました。

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WASEDA University

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