「失敗は名誉勲章」 駐日米国大使ウィリアム・F・ハガティ氏が日米関係とリーダーシップについて語る

2018年12月6日、早稲田キャンパス国際会議場井深大国際記念ホールで開催されたスペシャル・トーク・セッション「日米関係における将来のリーダーの重要性」にて、招聘された駐日米国大使ウィリアム・F・ハガティ氏は、日米関係、とりわけ安全保障と経済関係について語りました。

(左から)ウィリアム・F・ハガティ大使、早稲田大学大学院経営管理研究科 内田和成教授と相葉宏二教授

ハガティ大使は、ボストン・コンサルティング・グループでキャリアをスタートさせ、東京に3年間駐在しました。その後、アジアおよびヨーロッパで広範に展開する複数の企業の最高責任者(CEO)や取締役を務めました。民間企業での経験に加えて、連邦・州政府双方でも経験を有し、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領のスタッフとして、同大統領の競争力評議会に関わり、国際貿易などを担当していました。

イベントの冒頭では、11月30日に死去したブッシュ元大統領を追悼する黙とうが捧げられました。田中愛治総長と元駐米大使である柳井俊二特任教授の挨拶後、ハガティ大使は早稲田大学大学院経営管理研究科の内田和成教授と相葉宏二教授との3人で、北朝鮮に対する安全保障や、米中間の貿易に関して日本がどのような姿勢を示せばよいか等について議論しました。

「アメリカと日本の関係性は、特別なものだと思います。世界で最も強い関係です」と話すハガティ大使

Q&Aセッションでは、日本の若者がリーダーになれるよう、教育制度や企業制度がどのように変われるかについて聞かれたハガティ大使は、教育機関は学生が働くことや長期間の留学を容易にしたり、企業はより多くの研究開発への投資や企業とそのリーダーシップに変革をもたらすため、より多くの役員を外部から着任させたりすることができると答えました。さらに、ハガティ大使は、日本でのイノベーションの役割について触れ、リスクを取ることの重要性について語りました。

「文化的に日本では、失敗は非常に複雑なため、リスクを取るということが非常に難しいことを理解しています。しかし、シリコンバレーへ行けば、あなたと歳がそれほど変わらない若者がたくさんいます。彼ら彼女らがビジネススタートアップに失敗したという話は稀ではありません。しかし、ここでの失敗は重要な教訓を学んだことを意味する名誉勲章のようなものです。私からのアドバイスは、あなたが外の世界へ出て飛躍し、リスクを取ってほしい、ということです。もし失敗したら、その失敗から学び、立ち上がって、またチャレンジすればいいのです。」

1964年にカリフォルニア州立大学連盟と学術交流協定を締結して以来、早稲田大学は、92の協定をアメリカの大学や学術研究機関との間で締結しており、半世紀以上にわって学生交換・教員交換など、日米間の学術交流に努めてきました。さらに、元米司法長官で第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディの実弟であるロバート・ケネディ氏、第42代大統領ビル・クリントン氏、そして第43代大統領ジョージ・W・ブッシュ氏を含む多くのアメリカのリーダーたちが大隈講堂等で講演を行っています。また、海外拠点として、2012年7月にサンフランシスコオフィスを創設しました。

本学は、これからもリーダーの育成に注力し、米国との良好な関係を構築していくことを目指します。

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