2つの言語から繋がりが拡散していく 多和田葉子氏によるアカデミックリーダーセミナー

「雄猫から二日酔いへ―言語とアイデンティティ―」を開催

早稲田大学では、世界的に高い評価を受けている各分野の第一人者による「アカデミックリーダーセミナー」をシリーズにて開催しています。8月1日小説家であり詩人である多和田葉子氏をお迎えし、「雄猫から二日酔いへ―言語とアイデンティティ―」と題した講演会を、スーパーグローバル大学創成支援事業 国際日本学拠点主催にておこないました。

多和田葉子氏は1993年に芥川賞を受賞、2009年には本学の早稲田大学坪内逍遙大賞の受賞を経て、2016年にはドイツで最も権威のある文学賞といわれているクライスト賞を日本人で初めて受賞しました。日本、ドイツはもとより世界各国の文学界に影響を与え続け、あらゆる方面で活躍する作家です。

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作家 多和田葉子氏

講演会では、本学を卒業した後ドイツに長く住み、外国人として現地で作家活動をすることに対しての思いや葛藤について触れ、日本語とドイツ語それぞれの言語が持つ違いや面白み、また現地で移民として作家活動をしていくことの意味について、自身の体験や時には作品の朗読を交えながら講演しました。日・独両言語で作品を生み出す多和田氏ならではの視点について、「‘80年代はナショナル・アイデンティティ(national identity)など必要ないと思っていました。しかし今は国際的文学フェスティバルを主催するような立場となり、参加する作家たちの国籍を考慮しつつ多様性を出したいと考えています」と語りました。

講演最後の質疑応答ではドイツに数年在住しているという来場者から、日・独両言語が入ってくると、考え方の切り分けが困難になるとの質問に対し、「日本語とドイツ語、両言語が使えるようになることで頭の中で考えることが混乱してくる。さらにドイツはヨーロッパの国々、日本は東アジアの国々と切り離して考えることはできず、そこにアメリカやアフリカも入ってきて色々な文化が繋がっていく。1つの言語でも他国の文化が影響してくるところへ、(両言語使えるようになると)2つの言語から繋がりが拡散していくので、楽しさも2倍になる。どうかそのグチャグチャな感じを楽しんでほしい」とアドバイスしました。

言語と国籍、そして自身のアイデンティティについて考えさせられる機会となった講演会は盛況のうちに終わりました。

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講演会の様子

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