再生可能エネルギー導入の実態と自治体意向調査 早稲田大・群馬大など

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報道関係者に調査結果を発表(1月22日)

早稲田大学と群馬大学が中核となり進めるプロジェクト「創発的地域づくりによる脱温暖化」(※1)は、国内各地において再生可能エネルギー導入が加速する中、再生可能エネルギーをめぐるトラブルが増えていることから、各地域における課題を把握し、各地域からの持続カと自立性のある分野横断型取組を支援するための方策を探るため 、一般社団法人創発的地域づくり・連携推進センター(※2)と共同で平成26年10月に全国1,600を超える自治体に電子媒体を用いたアンケート調査を行い、414の自治体から回答を得ました。

今回のアンケート調査から、地域における独立電源や防災対策に貢献するほか、関連するビジネスの創出、地域の経済活性につながることを期待されている再生可能エネルギーを、優遇して導入してほしいという声が、多くの自治体から寄せられました。これらは、エネルギー基本計画に掲げられた、自治体を中心とした地域のエネルギー協議会の設立と、それを推進する取組と方向性が一致しております。しかしながら多くの自治体が再生可能エネルギーの利用可能量の把握などの基礎データを持ち合わせていないことも明らかになりました。また、事業性の見極めに詳しい人材が不足していること、メガソーラー建設に伴って景観などへの苦情を抱えた地域があることなど、個別の問題点もわかってまいりました。

さらに、導入に際しての資金調達においても、計画への地域の金融機関の融資動向は把握されておらず、金融機関利用時の問題点も8割以上の自治体がわからないと回答しているなど、圧倒的に情報が不足しているため、これを補うような支援をして欲しいという要望が寄せられました。
同プロジェクトは今回の自治体の現状や意向を受け、「地域が元気になる再生可能エネルギー推進」に向けて、地域住民、自治体、地域金融機関、企業、研究者等が連携し、一体となって的確な支援ができるよう 、一層の調査研究、人材育成、情報提供等を行ってまいります。

※1 独立行政法人科学技術振興機構・社会技術研究開発センター 統合実装プロジェクトの一つとして両大学が委託を受け実施
http://www.jst.go.jp/pr/info/info1028/index.html

※2 一般社団法人創発的地域づくり・連携推進センターはプロジェクトの研究成果の全国普及をめざすべく設立
http://www.waseda.jp/prj-sfsabi/ecoric/

資料再生可能エネルギー導入の実態と自治体意向調査の集計結果

問合せ先

一般社団法人 創発的地域づくり・連携推進センター 事務局 (早稲田大学内)

TEL : 03-5292-3526
E-Mail : ecoric@list.waseda.jp

担当:永井、岡田

再生可能エネルギー導入の実態と自治体意向調査 集計結果の概要

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実装活動のイメージ

(1)現状の課題

 東日本大震災後3年を経たわが国では、東北被災地での復興の促進はもとより、内外に多大な課題を抱えています。このなかで、とくに、エネルギー、防災、気候変動対策などにおける地方の役割、市民と行政の連携強化の重要性、縦割りの弊害を乗り越える横断的な取り組みの重要性などが、ますます浮かび上がってきています。

 一方で、平成の大合併後、広域化した自治体のガバナンスを再構築する課題も全国的に顕在化しています。21 世紀をタフに生き延びることのできる国を作るためには、地域における直近の課題を解決しつつ、中長期の確かな展望をもって、行政と市民・各ステークホルダーの建設的かつ横断的な連携体制を構築し、新しい人材を育成し、エネルギー自給力を高めるとともに、異常気象に耐える国土の強靭化を進め、新しい時代を開拓する力量をもった産業を育成し、持続可能な地域を全国に広げていくことが重要であります。そこでは、行政手法においても、また、学術研究の方法においても、社会のステークホルダーとともに問題を考え、ともに進化(共‐進化)していくという、新しいスタイルを実現することが不可欠となっており、横断的で創造的な協働の実現が求められています。

 しかし、これまで、わが国には、多様に連関する地域や地方の、新しい時代における未開拓の課題を、中長期的視野の下で、創造的かつ横断的に解決するための仕組みが欠けていました。今必要なことは、持続型社会に向けた中長期的展望のもとに、分野横断・問題解決型の創発的な地域づくりを進める自治体-市民-産業―学術の連携を進めることです。

 (2)これからの課題「地域実装」

 2008 年以来5 年間にわたり、私どもが関わった独立行政法人科学技術振興機構・社会技術研究開発センターの「地域に根ざした脱温暖化・環境共生社会」研究開発領域におきましては、合計16 のプロジェクトが実施されました。この中から私たちは、「これからの数十年にわたる各種の危機のなかでも、最も重大な危機は地球温暖化と大規模な気候変動であり、それに対する取組みは、大都市への過度の集中・画一化というこれまでの文化を作り直す視点に立ち、地域にある自然資源を生かし、地域を元気にする取組みとして追及されるとき、はじめて本格的なものになる」、という確信を得るとともに、多様な成果を挙げてまいりました。

 ただし、諸成果の本格的・統合的な実現、すなわち地域実装はこれからの課題であります。同領域終了後は、戦略提言『地域が元気になる脱温暖化社会を!―環境・エネルギー分野の課題解決に社会技術的な手法を導入しよう―』を基軸として、環境関連の行政や学術研究にとどまらす、多分野横断型、多世代参加型の創発的な地域づくりに、全国の皆様とともに取り組んでいきたいと考えてまいりました。折しも、問題意識をともにする自治体関係者、研究者、地域関係者をはじめ、全国の皆さまから、新たな協働を推進する新組織の必要性や意義等についてのご指摘をいただきました。

(3)再生可能エネルギーをめぐるトラブル

 そうした背景において、私どもは自治体支援の枠組み構築にむけ、一般社団法人「創発的地域づくり・連携推進センター」を創設し、取り組んでおります。その活動の一環として、国内各地において再生可能エネルギー導入が加速する中、再生可能エネルギーをめぐるトラブルが増えていることから、各地域における課題を把握し、各地域からの持続カと自立性のある分野横断型取組を支援するための方策を探るため自治体意向調査を実施しました。意向調査は、平成26年10月に全国1,600を超える自治体に電子媒体を用いたアンケート調査を行い、414の自治体から回答を得ました。

 (4)基礎データ不足、人材不足

 今回のアンケート調査から、地域における独立電源や防災対策に貢献するほか、関連するビジネスの創出、地域の経済活性につながることを期待されている再生可能エネルギーを優遇して導入してほしいという声が多く寄せられました。

 これらは、エネルギー基本計画に掲げられた、自治体を中心とした地域のエネルギー協議会の設立とそれを推進する取組と方向性が一致しております。しかしながら多くの自治体が再生可能エネルギーの利用可能量の把握などの基礎データを持ち合わせていないことも明らかになりました。また、事業性の見極めに詳しい人材が不足していること、メガソーラー建設に伴って景観などへの苦情を抱えた地域があることなど、個別の問題点もわかってまいりました。

(5)アンケート調査結果

 アンケート設計中の10月に、一部の電力会社により再生可能エネルギー買取にかかる系統接続の方針変更が行われたため、今回のアンケートではFIT見直しに関する設問を設けて対応しました。本アンケートでは、計画中の再エネプロジェクトが困難に直面することを明らかにするとともに、FIT制度およびその運用についての議論の資料とすべく調査結果をまとめました。

 すでに、本アンケートの内容は、経済産業省資源エネルギー庁には説明をしており、その会合の中でも、今後のFIT見直しに際しては、国のエネルギー基本計画にエネルギー政策の立案・運用に際して重要と記載された「全国の自治体を中心に地域のエネルギー協議会を作り、多様な主体がエネルギーに関わる様々な課題を議論し、学び合い、理解を深めて政策を前進させていくような取組」を実現させる裏付けになるデータとしての有用性が評価されました。

(6)自治体のニーズ

 さらに、意向調査の中では、大学や一般社団法人に対しての、自治体のニーズを調査しました。再生可能エネルギーの導入に際しての資金調達においても、計画への地域の金融機関の融資動向は把握されておらず、金融機関利用時の問題点も8割以上の自治体がわからないと回答しているなど、圧倒的に情報が不足しているため、これを補うような支援をして欲しいという要望が寄せられました。

 私たちは、今回の自治体の現状や意向を受け、「地域が元気になる再生可能エネルギー推進」に向けて、地域住民、自治体、地域金融機関、企業、研究者等が連携し、一体となって的確な支援ができるよう、一層の調査研究、人材育成、情報提供等を行ってまいります。

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