2025年4月16日、米国連邦議会上下両院の超党派議員団8名が本学に来訪し、学生との対話の機会を持ちました。今回の来訪は、米国ワシントンDCに本部を置くFormer Members of Congress (FMC)が米国笹川平和財団の支援を得て実施している訪日ツアーのプログラムのなかで行われました。本学には2022年にも来訪しており、今回が2回目の訪問となりました。
当日は学生たちが2回の事前準備ミーティングで選んだ民主主義、米国のインド太平洋戦略、米中関係、関税、地球温暖化、移民、犯罪と薬物問題、高等教育、政治と女性など米国や国際社会が直面する諸課題について、8グループに分かれて直接議員へ質問を行う形で実施しました。
このイベントは商学部の横田一彦教授とその国際貿易ゼミ(2024年度横田ゼミホームページ | 早稲田大学商学部)の学生たちが中心となって準備を進めました。社会科学部(School of Social Sciences, Waseda University)、留学センターGLFPプログラム(GLFP | 早稲田大学 | Global Leadership Fellows Program)からも日本人学生のほか留学生も多数参加し、様々な視点からの質問を準備していました。
“まず、開会式での自己紹介では、議員の立ち振る舞いや話し方に説得力を感じました。次に、実際にお話を伺うなかでは共和党の議員が印象的でした。共和党員でありながら関税などトランプ大統領の政策に対する抵抗感があり、政党内での難しい立場が感じられました。最後に、この催しへの準備会や本会議によって一層アメリカの政治経済に関心を持つことができました。この学びを今後に活かしたいと考えます。”(商学部4年生 二本木玲於奈)
“アメリカ議員の方々は皆堂々とした佇まいで、私たちからの質問に対しても真摯に、そして自分の言葉で話されていたことが印象に残っています。民主党の方は、自分の立場を自覚し、自ら意見を発信することの大切さを力強く語っていたことが印象的でした。また、共和党の方のお話で、同じ共和党の中にもトランプ大統領に疑念を持つ人も一定数いることを学びました。残り1年で社会人になる私にとって、グローバルな視点を持ち、変化の激しい世の中で自分の意思をもって活躍できる人材になりたいと感じさせられた経験でした。”(商学部4年 野村康介)
参加した議員たちは、学生たちの質問に真摯に耳を傾け、それぞれが所属する委員会での経験や地元のことなどを例に挙げながら、一つ一つの質問に丁寧に応じていました。今回は、米国での政権の交代とそれに伴う政策の大きな転換、世界各地で続く戦争などの難問が複数混在している時期と重なりましたが、各グループの議論には民主党と共和党の両政党議員がそれぞれ参加したことで、政党間で対応の異なるテーマについても双方の主張から理解を深めることができたと思います。また学生たちは議論が終わった後にも議員たちと交流を行い、将来のキャリア、議員事務所でのインターンシップなどについて、積極的に質問を行っていました。
“私たちの班では、若者の政治への関心や議員のワークライフバランス、女性の政治進出、中国との対立など、幅広い内容について話しました。議員の方々は、どんな質問にもご自身の経験談を交えて熱心に答えてくださいました。また班のメンバーのルーツも様々だったので、同じ問題に対して異なる角度からの意見を知ることができて、非常に有意義な経験ができました。”(商学部3年 若井梨紗)
“第二次トランプ政権の発足に伴い政策が大きく変化する中、実際にアメリカの議員の方々と直接意見を伺う機会を得られたことは非常に貴重でした。留学生のビザや移民、関税といった難しいテーマにも真摯に対応していただき、政党内でも多様な意見があることを知ることができました。アメリカ政治の世界にもたらす影響や複雑さと対話の重要性を実感し、今後の学びや将来に活かしたいと感じました。”(商学部3年 川上真宙)
早稲田大学ではこうした海外からの来訪を利用して、学生への教育機会として還元できるように様々なイベントを実施しています。