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図書館に集う学生たち(4)
特集:図書館での学び、叡智との出会い
Wed 07 May 25
特集:図書館での学び、叡智との出会い
Wed 07 May 25
電子ジャーナルを駆使し先人のデータと知見を集めていく
論文検索データベースから膨大な学術資料にアプローチ
教育学部3年 上原早耶香さん

撮影=早稲田キャンパス 中央図書館 閲覧席
教育学部理学科の地球科学専修で進化古生物学研究室に所属しています。地質調査や化石調査、地層から抜き取った試料であるボーリングコアの分析など、さまざまな手法で生態系の進化や地球環境の変動を明かしていくことが、ゼミの目的です。その中で私は、白亜紀を中心とした地層中の堆積物を分析し、そこに含まれる微化石の年代変遷と環境変動の関係にアプローチしています。
研究でよく活用するのが、電子化された学術誌の記事をインターネット上で読むことができる電子ジャーナルです。ゼミでは指定された電子ジャーナルを用いて、論文やグラフの作成、英語テキストの輪読などを行います。個人で論文を探す際には、多彩な論文を横断検索できる国立情報学研究所の「CiNii Research」などを使うことで、研究内容に関連するワードから、探している学術情報にたどり着くことができます。
私は、研究対象とする地層帯について、先行研究の結果を集める際に使用することが多く、パソコンで作業が完結できるのも便利です。英語論文の講読は困難に感じることもありますが、時には翻訳ツールも取り入れつつ、参考書を片手に専門用語を調べながら、 国内外の幅広い研究成果に積極的にアクセスしています。ゼミの課題では学生が資料を収集するプロセスも重視しており、自力で考えながら情報を探す能力を高めていきたいです。
私は博物館や学校の授業がきっかけで、幼い頃から地球史が好きでした。研究で得たスキルや知識を生かし、将来はその面白さを伝えられる仕事をしたいと考えています。
図書館統合検索システム「WINE」
早稲田大学図書館が提供する「WINE」は、インターネット上で学術資料の所蔵情報や入手方法を調べられる統合検索システム。大学が契約している電子ジャーナル、電子ブックを検索することもできる。電子ジャーナルでは、学術論文の書誌的事項や引用文献リストを包括的に検索できる「Web of Science」などのデータベースが利用可能