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SPECIAL INTERVIEW 箕輪はるかさん
特集:図書館での学び、叡智との出会い
Mon 28 Apr 25
特集:図書館での学び、叡智との出会い
Mon 28 Apr 25
図書館で、知の世界の限りない広がりを感じた
箕輪はるかさん 芸人(ハリセンボン)

2003年に結成したお笑いコンビ「ハリセンボン」で、芸人として活躍する箕輪はるかさん。人前に立つことを生業としながらも、実は一人で本を読むことが好きな読書家でもある。そんな箕輪さんは、就職を見据えて、早稲田大学第二文学部在学中に図書館司書の資格を取得していた。
「高校生の頃から地元の図書館に通っていて、その静かな空間がとても心地よかったんです。読書が好きでしたし、将来は図書館で働けたらいいなと思って、入学後に司書の資格を取ることにしました」
在学中、授業の合間は主に中央図書館や戸山図書館で過ごしていたという。
「図書館では読書や資料探し、司書資格を取得するための授業の復習などをしていました。特にお気に入りの場所は中央図書館地下の研究書庫でした。研究書庫は書架がメインで、壁際に本を閲覧するための机が並んでいるんです。静かで、『本の場所』という感じがして、座っていると心が落ち着きましたね」
図書館では無数の本が放つエネルギーに圧倒されつつも、そこからパワーをもらっていた、と箕輪さんは振り返る。
「とにかく物量として『本ってたくさんあるんだ』ということを知るのも、思い返せば大事なことでした。各分野の研究者が一生に一冊というくらいの思いで書き上げた本が、読み尽くせないほど存在している。それを知って『これから先、生きていて絶対に退屈することはないな』と思ったんです。知の集合の壮大さに思いを馳せつつ、いつかこの先の人生のどこかで出合うかもしれないまだ見ぬ世界への期待も、図書館で感じていました」

読書を欠かさず、海外旅行でも現地の図書館を訪れるなど、一貫して本と図書館を愛する箕輪さんは現在、雑誌『女性自身』で書評を連載中。その独自の視点と感性が、多くの読者から支持を集めている。
「本を探すときは書店で気になるタイトルを手に取ってみたり、自分と本の好みが似ていそうな人をインターネットのレビューサイトで探して、その人のおすすめする本を読んでみたり。現実と虚構が曖昧に混ざり合う世界観が好きなので、それが書評の雰囲気にも表れているかもしれません」
学生時代に図書館で培った知への敬意と探究心は、芸人であり、一人の読書家でもある箕輪さんを今も支え続けている。
「早稲田大学の図書館には、学生が多くの貴重な資料を気軽に手に取れる環境が整っています。私自身、図書館で深い知の世界に触れた経験が、お笑いだけでなく幅広い活動につながっていると感じます。図書館スタッフに相談すれば資料収集の助言もいただけるので、ぜひ本を起点として、自分の世界を広げてほしいと思います」
PROFILE
1980年東京都生まれ。2003年早稲田大学第二文学部卒業。卒業後、吉本総合芸能学院(NSC)東京校へ入学し、2003年にNSC同期の近藤春菜とお笑いコンビ「ハリセンボン」を結成、翌年デビュー。現在はGATEに所属。ハリセンボンのボケ担当としてテレビやラジオ、CM、舞台などで幅広く活躍中。また、2022年にフジテレビ『IPPON女子グランプリ』で優勝するなど、個人でも活躍の場を広げている。読書や重機、けん玉など多趣味で、けん玉は三段の腕前。