2022年9月21日
早稲田大学職員に関心をお寄せいただき、ありがとうございます。
早稲田大学は、田中愛治総長のもと、創立150周年である2032年の大学のあるべき姿を描いた中長期計画「Waseda Vision 150」を着実に実行しつつ、さらにその先を見据えた「Waseda Vision 150 and Beyond」の理念をかかげ、「世界で輝くWASEDA」となるため、本学を2040年には日本で、2050年にはアジアで最も学ぶ価値のある大学にする、と宣言しました。
この壮大なVisionを実現するため、早稲田大学職員はどうあるべきでしょうか。
「世界で輝くWASEDA」になるためには、大学全体のトランスフォーメーションが必要です。そして、そのトランスフォーメーションの中核的な役割を担うのは、紛れもなく職員です。勿論、直接的に研究を推進し、教育に携わるのは教員でしょう。しかし、実際に仕組みを変え、システムを作り上げるのは職員の役割です。教員と職員では職務や役割が異なりますが、だからこそ「教職協働」には意味があり、共通する目的のもと、お互いを尊重し、お互いの職務や役割を生かしながら、新しい「教職連携」「教職協働」の形を作り上げることが重要になります。職員一人ひとりは、日々変化する社会情勢を敏感に感じ取りながら、自らの価値を自律的に高め、前例にとらわれず、エビデンスベースに「世界で輝くWASEDA」に向けてチャレンジし続けていくことが求められます。
一方で、日本の高等教育を取り巻く環境は急速に変化しています。少子高齢化はますます進展し、2012年に約120万人であった18歳人口は、2050年には約80万人にまで減少することが見込まれています。また、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の遅れから国際競争力が低下しており、IMD「世界競争力年鑑」によれば、1990年代には1位であったわが国の総合順位は、現在30位を下回る水準になっています。また、昨今のコロナ禍による経験を踏まえた研究・教育へのオンラインの活用は、それまでのさまざまな常識を一変させています。
急速に変化する不確実な時代において、早稲田大学の職員は、何よりもまず早稲田大学で学ぶ学生が誇りを持ち、喜びをもって日々の大学生活を送れることを考えなければなりません。同時に、創立者である大隈重信の「一身一家一国のためのみならず、進んで世界に貢献する抱負が無ければならぬ」という理念を体現し、「私学の雄」に身を置くものとして、日本の高等教育を牽引し、世界の高等教育の向上に寄与するという自負と気概が必要です。
早稲田大学では、「世界トップクラスの大学になるという決意と覚悟」を持ち、「自分より優秀な、世界で評価される教職員を採用し続ける」という価値観を共有しています。我々の理念に共感し、ともに「世界で輝くWASEDA」の実現をめざす、皆さまからの積極的なチャレンジを期待しています。
早稲田大学常任理事(総長室総括、学外連携、グループ会社担当) 井上 文人