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2022年度卒業式を挙行しました
2023年3月25日(土)・26日(日)、戸山キャンパスの早稲田アリーナにて、2022年度学部卒業式、芸術学校卒業式および大学院学位授与式を執り行いました。
Tue 28 Mar 23
2023年3月25日(土)・26日(日)、戸山キャンパスの早稲田アリーナにて、2022年度学部卒業式、芸術学校卒業式および大学院学位授与式を執り行いました。
Tue 28 Mar 23
2022年度は、学部卒業者8,081名、芸術学校卒業者38名、修士課程修了者1,930名、専門職学位課程修了者463名、博士学位受領者176名、合計10,688名が、早稲田の杜を巣立ち、新たな門出を迎えました。
学生およびご家族の方々の健康と安全に配慮し、新型コロナウイルス感染症拡大を防止する観点から、式典への参加対象は卒業生、修了生のみに限定し、式典は2日間4回に分けて実施されました。今年度は、保護者の皆さま向けに同時中継会場を設け、ライブ配信をご覧いただけるようにいたしました。
※式典当日のアーカイブ映像に関しては、本ページの末尾をご覧ください。
式典では、総代、博士の学位記授与に続き、田中愛治総長より卒業生へ式辞が送られました。また、学術・スポーツで特に優れた成果をあげた学生または団体に対して授与される小野梓記念賞の紹介が行われました。今年度の小野梓記念賞は、学術賞11件、スポーツ賞32件でした。
2022年度 小野梓記念賞受賞者一覧


総長式辞
卒業生の皆さん、ご家族・ご親族の皆様、ご卒業おめでとうございます。卒業される皆さんはもちろん、これまで卒業生を支えてこられたご家族・ご親族の皆様も、たいへんお喜びのことと存じます。本日は、早稲田大学を代表して、私からお祝いの言葉を申し述べたいと思います。

田中 愛治 総長
この1年間は、日本中が沸いたスポーツの出来事がありました。つい数日前に終わったWBC(World Baseball Classic)や、昨年秋のサッカーのワールドカップでの、日本チームの活躍に、私たちは大いに元気づけられました。その中で、注目すべきことは、野球の日本代表で中心となって活躍した選手が大谷、ダルビッシュ、吉田、ヌートバーらアメリカのメジャーリーグでプレイしている選手だったということと、サッカーの日本代表チームの26人のうち、18人はサッカーの本場のヨーロッパでプレイしている選手だったということです。即ち、世界で対等に競い合っていくには、その世界に住んで、本物の競争力を肌で知るほうがずっと効果的である、ということです。皆さんも、卒業後に是非とも、機会を見つけて留学するなり、海外で仕事をするなりして、他の世界でご自分を鍛えてもらいたいと思います。同時に私たち早稲田も国際的な頭脳循環を、今まで以上に活発に行っていかなくてはと思っています。
さて、今年の卒業生は、特別な思いを持って、卒業されることと思います。この3年間、皆さんは、新型コロナウイルス感染症というパンデミックに振り回されてきました。振り返ってみれば、皆さんは大学2年生になった時から、ずっと十分な学生生活を享受することが出来なかったと思います。しかし、早稲田の学生の皆さんは、よく我慢をして、今日まで学内での大規模クラスターを発生させずに頑張ってくれました。皆さんのご協力に心から感謝いたします
皆さんのなかには、最も充実すべき最後の3年間が失われた、という感覚をお持ちの方もおられるでしょう。しかし、コロナ・パンデミックの経験をネガティブに捉えず、この辛い経験が役に立つときがある、と信じて進んでいただきたいと思います。皆さんは、若い学生時代に辛いことを経験したのですから、他の世代より一層強く逞しくなっていると思います。
皆さんは早稲田で、「たくましい知性」を育み、「自分の頭で考える」ことを身につけたと思います。「自分の頭で考える」ためには、やはり学問が重要なのです。学問とは、文字が発明されて以来、5千年にわたる人類の経験のエッセンスが体系的にまとめられたものです。もちろん、過去に人類が経験したことのない未知の問題の解決方法は、学問には記されていません。しかし、学問をひもとけば、過去に人類がどのように、未知の問題に挑戦したのかを、学ぶことができます。したがって、皆さんが未知の問題に挑戦する際には、早稲田で修めた学問が座標軸となり、今後の人生の道標(みちしるべ)となっていくはずです。
もう一つ大切なことは、「しなやかな感性」を育むことです。すなわち、異なる国籍・エスニシティ・言語・宗教・文化・信条・性別・性的指向性を持つ人々に対して、敬意をもって接することです。そうした利他の精神を身につけることで、「しなやかな感性」は涵養されます。とくにコロナ・パンデミックでは、国や民族の違い、あるいは経済的な格差により、弱い立場の人々がいっそう苦しむことになったと思います。そのことを肌で感じる経験をした皆さんは、より一層「しなやかな感性」を育むことができたと思います。
皆さんは、昨年からウクライナで起きていることを目の当たりにして、どのように感じているでしょうか。このような状況でこそ、「しなやかな感性」が大切であると思います。ウクライナから早稲田に留学してきている学生たちは、今どんなに心細い気持ちでいるでしょうか。同時に、ロシアから早稲田に留学してきている学生たちは、今どんな思いで祖国を見つめているでしょうか、また自分たちロシア人が他国の人々からどう見られているかに不安を感じているのではないでしょうか。それぞれの立場に置かれた人々のことを思いやって接していけることが、「しなやかな感性」を持つことの大切さです。
私は、ウクライナの人々が受けてきている人権侵害や殺戮を思うと、言葉に表せないほどの義憤と悲しみが湧いてきます。私自身は、政治学を研究してきましたので、なぜこんな理不尽なことが起き続けているのか、なぜウクライナへの侵略を直ちに止められないのか、その理由がある程度、推測できます。それだけに、私たち人類にとって、この悲惨な状況を止めるための有効な手段がそれほど多くはないという歯がゆさを感じています。また、私自身がこの侵略を止めることに直接に貢献できていない無念さも痛感しています。
そうした中で、私が教育者の1人としてできることは、皆さんに早稲田で学んだことを心に刻み、卒業後の人生を歩んで欲しい、とお願いすることです。早稲田大学の創立者である大隈重信は、建学の精神として、「学問の独立」「学問の活用」と共に、「模範国民の造就」の大切さを説いています。「模範国民の造就」について大隈は、「一身、一家、一国のためのみならず、進んで世界に貢献する抱負が無くてはならぬ」と述べ、利他の精神の大切さを強調しています。この寛容の精神に照らせば、人権侵害をしたり、弱者を痛めつけたり、他者を陥れるようなことは、早稲田大学の建学の精神に反することになります。
すなわち、早稲田で学んだ者は、誰1人、人の道に外れたことをしない、人として行ってはいけないことをしない人間になっていただきたい、ということです。そのことを、卒業生の皆さんは、私たち教職員とともに、崇高な建学の精神をもつ早稲田大学という学問の府で学んできたはずです。このことは忘れないでください。
卒業生諸君、本日は、ご卒業、本当におめでとう。
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早稲田大学校友会代表幹事 挨拶
早稲田大学校友会代表幹事 萬代 晃 様

2020年の初頭から猛威をふるっております新型コロナウイルス感染症は、日本国内のみならず、世界的な流行となり、人々の生活にも深刻な影響を与えました。本日ご卒業の皆さんにとっても、この約3年間は勉学をはじめとする学生生活を継続する上で、沢山の苦労があったと思います。だからこそ尚更、卒業生の皆さんを心からお祝いするとともに、校友会の代表として是非メッセージをお届けしたいという熱い気持ちで、今は胸が一杯でございます。
現在の校友数は約67万人。日本全国の地域、年次、職域、海外など約1,400の稲門会が組織され、活発に活動しております。早稲田の誇りはこの67万人の校友のパワーです。企業人・経営者はもちろんのこと、総理大臣から地域の世話役、政治家、官僚、法曹、芸術家、医者、ジャーナリスト等々、日本はもとより世界中のありとあらゆる分野で校友が活躍しており、まさに多様性に満ちています。こうした偉大な伝統を受け継ぎ、私たち校友会は、今後も多くの皆様にご参加いただきながら、「ともに世界へ ともに未来へ」の合言葉を掲げて、「心の故郷(ふるさと)、早稲田」とともにあり続けたいと願っています。
早稲田大学を本日無事に卒業される皆さんは、誰もが経験したことの無い、言わば“答えのない未来”を担っております。現在、世界は、新型コロナウイルスとの闘いが続いているだけでなく、政治・経済・社会制度の大きな変革の真只中にあり、先行きの不確実性は益々高まっております。しかし、このような時代だからこそ、既成概念にとらわれず新しいものに挑戦する早稲田的な人材が求められています。まさに、地域で活躍し、世界に羽ばたくグローバル・リーダーであります。
これから、皆さんが歩んでいかれる途中には、楽しいことや嬉しいことばかりではなく、辛いこと、悲しいことなど大きな困難が待ち受けていることもあるでしょう。しかし、皆さんの前途は洋々であると信じています。早稲田で身に付けた「たくましい知性」、「しなやかな感性」そして「ひびきあう理性」に更に磨きをかけ、この早稲田で学んだという誇りと進取の精神を持って、日本中、いや世界中の人々の心を動かし、感動を与え、世界に大きく貢献できるような人になってください。
皆さんの傍らにはいつも母校である早稲田と校友の仲間がいて、勇気づけてくれることを忘れないで下さい。そして、ゆくゆくは母校の後輩である現役学生たちの力強い応援団としても温かいご支援をいただければと願っております。
校友会のキャッチフレーズは「ともに世界へ ともに未来へ」です。卒業生の皆さん、世界へ! 未来へ! 是非力強く羽ばたいてください。あらためて、ご卒業おめでとうございます。
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卒業式アルバム




Waseda Live(式典アーカイブ映像)
2023年3月25日(土)
【第1回 式典】
対象:対象:政治経済学部・法学部・社会科学部・政治学研究科・経済学研究科・法学研究科・法務研究科・社会科学研究科
【第2回 式典】
対象:文化構想学部・文学部・商学部・文学研究科・商学研究科・会計研究科・経営管理研究科
2023年3月26日(日)
【第3回 式典】
対象:教育学部・人間科学部(通信教育課程を含む)・スポーツ科学部・国際教養学部・教育学研究科・人間科学研究科・スポーツ科学研究科・アジア太平洋研究科・日本語教育研究科・国際コミュニケーション研究科
【第4回 式典】
対象:基幹理工学部・創造理工学部・先進理工学部・芸術学校・基幹理工学研究科・創造理工学研究科・先進理工学研究科・環境・エネルギー研究科・情報生産システム研究科