廃棄プラ再生 産学連携アップサイクルモデル

行き場のない複合廃プラに新たな出口をつくる、産学連携アップサイクルモデルをGCC Common Roomに実装

早稲田キャンパス27号館の共創空間「GCC Common Room」では、株式会社REMAREおよび複数の企業と連携し、企業活動から発生する廃棄プラスチックを原料としてベンチ、テーブル、カウンターなどの什器を設置しています。

これは、企業から提供された廃棄プラスチックを活用し、マテリアルリサイクルが困難とされてきた複合廃プラスチックに新たな活用の道を拓く、産学連携によるアップサイクルの取り組みです。設計は IOII architects / トイアーキテクツ が担当し、株式会社REMARE(以下REMARE社)の独自技術により再生された素材を用いて、ベンチ、テーブル、カウンターなどの空間什器として実装しました。

受付カウンターは株式会社カンロの飴の製造工場で廃棄される包材を使用した板材を天板と腰壁部分に採用
写真提供:株式会社REMARE 

マテリアルリサイクルが困難とされてきた廃棄プラスチックに「使われ続ける出口」を

企業活動の中で発生する廃棄プラスチックの多くは、素材の複合性や品質ばらつきの問題から、焼却・埋立処理に頼らざるを得ないのが現状です。これらの処理は、企業にとって廃棄に伴う温室効果ガス排出(Scope3カテゴリ5)として計上されるケースも多く、削減が課題となっています。特に、医薬品・食品包材、電子基盤、製造工程由来の樹脂残渣などは、マテリアルリサイクルの選択肢が限られてきました。REMARE社では、こうした再資源化が難しい廃棄プラスチックを「使われる素材」へと再定義し、空間やプロダクトとして社会に実装するマテリアルリサイクル技術を開発しています。

本取り組みでは、以下の企業等から提供された廃棄プラスチック素材をGCC Common Room内に設置する什器に再利用し、行き場のなかった複合廃プラに新たな出口をつくるアップサイクルモデルを実現しました。

  • お薬の包材(第一三共ヘルスケア株式会社)
  • スマートフォンカバー(Hamee株式会社)
  • オフィス家具製造時に発生する樹脂団子(株式会社イトーキ/コクヨ株式会社)
  • 飴の包材(カンロ株式会社)
  • 電子基板端材(株式会社FUJI)
  • 家電リサイクル工程で発生する残渣(三菱電機株式会社、株式会社グリーンサイクルシステムズ)
  • 早稲田大学内で回収されたペットボトルキャップ
  • 九州沿岸部で回収された海洋漂着プラ

(敬称略、順不同)

 

左上から樹脂団子(イトーキ)、飴の包材(カンロ)、樹脂団子(コクヨ)、家電リサイクル残渣(三菱電機・GCS)、スマホカバー(Hamee)、お薬の包材(第一三共ヘルスケア)、電子基板端材(FUJI)、ペットボトルキャップ
写真提供:株式会社REMARE

企業の廃材が、大学と社会をつなぐ「共創の場」を構成

GCC Common Roomは、「貢献の早稲田」を象徴する場として「社会との接点」を設計思想に掲げた共創空間です。南門通りに面して配置された大きなホワイトボードウォールや、ガラスとベンチによる開放的な構成により、学生・教職員に限らず、地域や来訪者も自然と集い、対話が生まれる場となっています。

この空間に、廃棄プラスチックを起点とした什器が実装されることで、企業の事業活動、大学の教育・研究、社会との接点がひとつの場に重なり合い、社会貢献に資する循環型社会の具体例が生まれました。

ベンチとガラスで構成された、外との境界線。開かれた場として、社会について考える場となることを意図している。
写真提供:株式会社REMARE

教育・研究と結びつく、循環型社会のリアルな実装例

本取り組みは、廃棄物削減にとどまらず、「廃材がどのように社会の中で使われ続けるのか」を可視化する取組みとして、大学空間への実装が実現しています。早稲田大学では今後も、企業や専門家との連携を通じて、キャンパスを社会課題解決の実証フィールドとして活用し、持続可能な社会の実現に資する教育・研究・社会連携を推進していきます。

 

Global Citizenship Center(GCC)について

気候変動や格差の拡大、地域社会の持続可能性など、地球規模で解決を迫られる課題が深刻さを増していく状況において、GCCは本学の強みである幅広い分野の知見と教育資源を結集し、社会と協働しながら貢献を実現していくことで、本学の使命を果たすために軸となり、研究「Global Research Center(GRC)」・教育「Global Education Center(GEC)」とともに、本学が「世界人類に貢献する大学」に進化するための創立150周年記念事業の中核をなす拠点です。GRC、GECとも有機的に連携しながら、これまで本学が推進してきた社会への成果展開活動(研究・教育活動成果の提供、社会実装、臨床、アウトリーチ等)や国内外のボランティア活動、地域・企業との協働、リーダーシップ教育、アントレプレナーシップ教育、実践型学習をさらに発展させ、地球規模で貢献できる人材育成を着実に推進していきます。

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