Art and Architecture School早稲田大学 芸術学校

3年次卒業設計

台東区は、世界の観光地として名高い浅草を有していながら、東京の中でも外国人移住者の数がもっとも少ない地区の一つである。外国人がふらりと訪れ、束の間の日本を楽しむ――世界のASAKUSAがもつ恒久性は、浅草寺の歴史や伝統はもとより、こうした恣意的で束の間の出会いが積み重さなって生まれたともいえる。

この「恣意的」な邂逅とそれによって生み出される「恒久性」は、ジャズの特徴にも通じている。そのインスピレーションを基に、浅草を代表する二つのアクセス（「観光・商業アクセス」＝仲見世、および「大衆娯楽アクセス」＝浅草六区）に次ぐ、第三のアクセス「ジャズ／音楽・教育・観光アクセス」を提案する。施設は、ファサードと学校の二つから構成されている。ファサードと校舎は空中廊下で結ばれている。自然に通じ、社会に開かれた学校を意図していると同時に、観光名所や景色を眺めるためにファサードに来た外国人訪問者にも日本の日常のワンシーンを体感してもらいたい――当施設は、日本と海外、暫時と恒久、芸術／文化と自然といった二項対立の共存と融合を目指した試みである。