3年次卒業設計 | 2011年度稲門建築会賞
青森県弘前市、単線の終着駅となっている対象敷地は駅利用者もまばらで寂れた商店街に面している。この土手町商店街は毎年ねぷた祭りの運行コースとなっているものの、賑わいを見せるのは祭りの時期のみである。この地域をねぷた祭りによって活性化させることがこの設計の目的である。
弘前市民がねぷたに懸ける1年を可視化し、体感できるような空間をコンセプトとし、施設はねぷた制作小屋の公開と祭り後の展示を軸としたねぷた祭りのアーカイブを中心とする。
ねぷた小屋で制作されたねぷたは、土淵川に隣接するねぷた専用の道を使い土手町商店街へと出ていく。祭りが終わるとねぷたミュージアムの中で展示される。そして次の祭りの際にはミュージアムからねぷた小屋へと移動しねぷた制作を行うという循環型の動線を持つ。冬期には駅を輸送路としてマーケットを開催し地域住民の交流を図る賑わいのある敷地設計を目指した。