研究キーワード
研究概要
本研究所は、早稲田大学総合研究機構プロジェクト研究所のひとつとして、主に東アジアにおける法制と法文化に関する研究を行ってきた。次期のプロジェクト研究においても、これまでの研究の成果を踏まえ、日本統治時代の台湾・朝鮮の法院などの記録史料の蒐集・整理・公開、植民地統治関係者の文書資料の整理・保存・公開を行うとともに、法実務と学知の交錯に注目をして、近代日本の法と法律学・法学教育の発展および戦前期の日本の植民地経営と東アジア諸国法への日本法の影響を研究して行くことになる。
(1) これまでに整理公開した「岡松参太郎文書」、「千種達夫文書」、「宮内季子文書」及び日本・中国・台湾・韓国に現存する近代法制資料(裁判例を含む)をもとに、帝国日本による台湾と朝鮮の植民地統治を比較検証し、東アジアにおける近代法形成について実証的研究を深化発展させることを目標とし、ここでの共同研究の成果をまとめ、論文集『帝国日本と植民地法制』(仮題)を刊行する。
(2) 岡松参太郎文書を広く研究者に利用してもらうため、主要文書を翻刻し出版する。
(3) 本研究所のWebページを使って、日本統治期の台中地方法院刑事判決原本目録の公開、岡松参太郎文書目録の公開を進めたい。
(4) この分野の研究者相互の協力を促進するために、研究者のネットワークを構築することも目的とし、東アジア地域だけではなく、広く欧米の研究者とも研究協力関係を構築していく。