Research Theme 研究テーマ
Research Director 所長

Member メンバー
- 中川 武 早稲田大学名誉教授
- 久保 純子 教育・総合科学学術院教育学部教授
- 小岩 正樹 理工学術院創造理工学部准教授
- 田畑 幸嗣 文学学術院文化構想学部教授
- 伯耆原 智世 理工学術院創造理工学部講師(専任)
- 長谷川 奏 総合研究機構客員上級研究員(研究院客員教授)
- 保坂 修司 総合研究機構客員上級研究員(研究院客員教授)
- 山田 俊亮 安田女子大学理工学部講師
Institute of UNESCO World Heritage
世界遺産、文化遺産、文化財保全、保存活用、国際貢献
ユネスコの世界遺産リスト登録件数は1,000件を超え、国際的な文化遺産保護制度としては最も成功した事例の一つである。近年では、世界遺産に限らず無形文化遺産やユネスコ記憶遺産への注目も高まりつつあり、今後も途上国や新しい考え方による記載は増加の一途を辿ると予想される。また、国内においてもこれまでの文化財保護制度に、日本遺産などの新たな面的な保護概念への展開が行われ、今後、グローバルからローカルに至るまで様々な段階において、文化遺産の保存活用を取り巻く環境は多様化かつ複雑化していくことが見込まれる。
このような状況を背景に、ユネスコ世界遺産研究所は、これまでにカンボジア、ベトナム、そして日本を中心とした文化遺産の調査研究・保存修復活動を20年以上に亘り継続しており、危機に瀕した文化遺産の救済を通じて、地域の復興に寄与したことにより、高い評価を得てきた活動実績がある。現代世界、とりわけ途上国が共通に直面している文化遺産の保存活用を、地域の復興発展、平和構築等に役立てるためには、より広く、そしてより広範かつ多角的な地域間交流・協力関係が必要かつ必須な枠組であり、その上で、各々の文化遺産の特有な気候風土、歴史文化的条件、地理的な関係を十分に踏まえた文化遺産保存活用の指針とそれに関する「学」の形成が不可欠である。
こうした相互協力のネットワーク構築へ向けて、当研究所が中心となり、各国の学術機関・政府機関・民間企業と協力し、文化遺産の固有な価値と現代世界における普遍的な価値との相関関係を事例に従って論理的に明らかにし、何をどこまで保存しどのように活用すべきかに関する基本理念を打ち立てること目指す。