研究キーワード
オペラ/音楽劇、オペラとメディア、オペラと舞踊、オペラと文学、オペラ劇場の未来
研究概要
「世界のオペラ:その展望と諸相」を研究の核に据え、以下の四つの主要な研究テーマを中心に活動を推進する。
I オペラ劇場の未来
約 400 年の歴史を有するオペラ芸術は、元来ヨーロッパの宮廷娯楽であった。17 世紀に庶民に開かれた劇場が設立されて以来、一般大衆に普及し、日本を含む非ヨーロッパ圏にも定着した。しかし、その成立の背景と長い歴史ゆえに、現代において伝統芸術特有の特権性が付きまとうことも否めない。オペラ劇場は、新作オペラの創造や旧作の新たな演出・解釈を通じて、芸術表現の場を提供しつつ、観客の需要に応える努力を続けている。
本研究所は、「オペラ劇場の未来」を新たなテーマとして掲げ、劇場が抱える「現代化」の諸問題を多角的に把握し、持続可能な未来像の探求を目指していく。「世界のオペラ:その展望と諸相」を研究の核に据え、以下の四つの主要な研究テーマを中心に活動を推進する。
Ⅱ オペラと文学
オペラは、音楽と文学が融合した総合芸術である。各国・諸言語の文学作品や古典的神話は、オペラ化されることで新たな生命を吹き込まれ、舞台芸術として具現化される。文学作品がオペラという形式に改作される過程において、いかに増幅され、再解釈されるかを検証する。具体的な考察視点としては、表象、批評、および作家と作曲家の創造的関係性等に焦点を当てる。
Ⅲオペラと舞踊
「宮廷総合芸術の一環として起源を共有するオペラと舞踊(バレエ)は、現代ではしばしば個別のジャンルとして扱われがちである。本研究では、舞踊を広義のオペラ芸術の一部門として捉え、その関係性を研究対象とする。「オペラと舞踊」のテーマのもと、舞台芸術としての舞踊・レビューを扱い、時代の変容に伴う舞踊上演の様相を追う。
Ⅳ オペラとメディア
オペラは「ライブ」芸術であり、本来は直接の観客以外に伝達が困難な芸術形態である。しかし、楽譜、出演者記録、批評記事といった各種メディアを通じてその実態が伝えられてきた。過去 100 年間においても、ラジオ放送に始まり、レコード盤による音声記録、映像作品、そしてデジタルアーカイブへと保存・記録・伝達技術は目覚ましい発展を遂げてきた。テーマ「オペラとメディア」は、何を、いかに伝え、いかに記録するかという根本的な問いを扱い、各種研究の基盤を提供するとともに、新たな研究領域を切り開く。この分野の研究は、オペラの保存、普及、そして受容史を考察する上で不可欠な視点を提供する。