- 研究番号:25P03
- 研究分野:science
- 研究種別:プロジェクト研究
- 研究期間:2025年04月〜2028年03月
代表研究者

山路 哲史 教授
YAMAJI Akifumi Professor
先進理工学科 共同原子力専攻
Cooperative Major in Nuclear Energy
URL:https://akifumi.yamaji.w.waseda.jp/index.html
研究概要
原子力の課題には、計画から稼働するまでに要する大きな初期投資の低減と、万が一の事故時の社会的コストの低減がある。それらの共通課題には、発電用タービンを駆動する蒸気と原子炉冷却材を分離するために複雑なシステムの簡素化がある。水は臨界点(374 ℃, 22.1 MPa)を超えると「水」と「蒸気」の区別がない「超臨界水」となり、日本では古くから石炭火力発電で用いられてきた。同様に原子炉を冷やした冷却材で直接タービンを回して発電するのが「第四世代スーパー軽水炉」である。理論上最もシンプルでコンパクトな原子炉システムであるため、既存の原子炉に比べ初期投資を大幅に低減できる。さらに、万が一の事故時にも原子炉容器の中に燃料デブリを閉じ込めたまま、その外から冷やすことができるため、究極的には事故後に原子炉容器を取り換えるのみで事故から復旧して再稼働できる。このような新型炉概念構築のため以下に取り組む:
(1)現行軽水炉・革新軽水炉から技術的連続性がある第四世代スーパー軽水炉の炉心概念の構築(燃料+炉物理+熱流動研究)
(2)過酷状況下の原子炉システム挙動の理解の深化と信頼性・耐性向上の研究(計算科学+実験研究)
(3)過酷事故に対する耐性を向上する新たな原子炉システム概念の構築(プラント概念研究)