- 研究番号:17P08
- 研究分野:environment
- 研究種別:プロジェクト研究
- 研究期間:2017年04月〜2018年03月
代表研究者

曽田 五月也 教授
SODA Satsuya Professor
創造理工学部 建築学科
研究概要
1995年に兵庫県南部地震が発生し、甚大な人的・物的な被害が発生し、以降このように極めて強い地震動の発生はその後も2004年中越地震、2007年中越沖地震、2011年東北地方太平洋沖地震と続き、2016年4月には熊本地震が発生した。さらに今後も震度7クラスの地震動が何時発生しても不思議はないと言われている。上記の強い地震動の原因となった地震の発生は自然現象として「仕方ない」と受け止めざるを得ないが、地震動による建築被害に関しては「十分に備えねばならない」。
申請者は、1996年4月に理工学研究所で開始したプロジェクト研究「粘弾性ダンパの開発と耐震設計・耐震補強への応用」を皮切りに、「高減衰構造に関する総合研究」(6年間)、「粘性系ダンパによる既存建築物の制振補強に関する研究」(6年間)、「各種建築物の制振構造デザイン手法の高度化」(6年間、実施中)を連続で展開してきている。これらのプロジェクトでは主に、制振構造技術を高度に利用することで上記のような過酷な地震動の作用に対しても建物を守ることの基本概念と実践法についての研究を実施してきた。特に、オイルダンパ、粘弾性ダンパという速度依存性を有するダンパは低レベルの地震動から過酷な地震動に対して建築物の変形・加速度を抑える効果の高いことを明らかにしており、研究の一部は広く社会へ普及しつつある。
本研究では、これまでの研究成果をさらに拡充すると共に、合理的かつ簡易な耐震性能評価手法及び耐震設計法を整理・構築することで、一般建築物の実施設計により適合しやすい形として研究成果を整理し広く発信して、都市の地震防災体制の強化に寄与する事を目指すものである。