- 研究番号:20P09
- 研究分野:environment
- 研究種別:プロジェクト研究
- 研究期間:2020年04月〜2023年03月
代表研究者
古谷 誠章 教授
FURUYA Nobuaki Professor
創造理工学部 建築学科
Department of Architecture
URL:http://www.furuya.arch.waseda.ac.jp/
研究概要
■本研究では、「プロポーション」「ディテール」「テクスチャー」の3つのキーワードを建築空間の端緒として、都市や建築自体が世代を超えた記憶装置となり得る空間の設計手法を提案することを目的とする。
■近年日本社会において情報技術の発展、産業構造の変化による人口移動、地域固有の生活・産業の減少など様々な要因から、各地域・住民が継承していた伝統・文化・生活の記憶が途絶え始めている。これによる社会問題の一つとして、東日本大震災を 始めとした自然災害への対策が継承されずに人を守るための都市・建築空間自体も被害が出る例がある。
■これらに対して、都市や建築はそこに暮らした人々の記憶が折り重なり、有形無形の名残がそこに刻まれ、残されることで、後になってそれを思い起こす縁となり、また建築がその実物としてこの世界にあり続けることで、過去の記憶を紐解くことも可 能であると考える。また現存する建築の実物を通して、思考の一端に触れ、空間を実感することができる。
■研究代表者は宿毛市・美濃加茂市の歴史的伝統的な価値のある建築物を現代的に活用した事例のみならず、上越市・鋸南町と いった伝統的な価値はないが地域住民の記憶として残る廃校の活用事例などを手がけており、このような各地それぞれが持つ洗 剤的なリソースを発見し活用することに本研究の価値があり、次代に記憶の継承が可能な空間手法の模索・提案を行っていく。