Waseda Research Institute for Science and Engineering早稲田大学 理工学術院総合研究所

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理工の若手研究者18人が100秒間研究プレゼンバトルに挑戦! アーリーバード成果報告会『100sec. TALKS』~若手研究者が創る未来の科学~開催報告

春の嵐が通り過ぎ、爽やかな青空が広がった3月1日の午後、理工学術院総合研究所(以後、理工総研)の若手研究者育成・支援事業『アーリーバードプログラム』の1年間の活動を締めくくる成果報告会『100sec. TALKS~若手研究者が創る未来の科学~』が開催されました。本会ではアーリーバードのメンバーである18人の理工の若手研究者たちが、日々研究室で取り組んでいる未知なる現象の解明や困難な課題の解決など「未来社会の不可能の壁を打ち破る研究」を“わずか100秒間”でプレゼンするという難儀に挑戦し、「研究の魅力」「発表のわかりやすさ」に優れた「研究プレゼンNo1」を競いあいました。

最新の研究を高校生にもわかりやすく

アーリーバードの活動では、『研究を市民、投資家など専門家ではない様々な立場の方に分かりやすく伝える』ことの意義等について講演会等を通じて考え、ワークショップではそのスキル修得にも取り組みました。本報告会では、その成果を披露する場として、専門家でない方に対しても、理工の若手研究者が取組む最新の研究を簡潔にわかりやすくご紹介するとともに、特に高校生に対しては、将来、本学理工学術院での研究をめざすきっかけにもしてもらいたいという想いを込めて、企画・検討してきました。

発表する人も、見る人も、ハラハラ・ドキドキの100秒間

先進・ナノ理工・博士2年 桑江さん ジェスチャーを多用して聴衆を引きつけるプレゼンをおこなった

会場には、高校生約20名を含む総勢100名を超える学内外からの皆様が早くから詰めかけ、聴衆からの期待と100秒のプレッシャーに緊張が最高潮に達するなか『100秒プレゼンバトル』の幕は開きました。

緊張感をさらに煽るかのような杉山歩未さん(基幹・情報・博士2年)による名司会・進行の下、18名の100秒プレゼンは次々と息つく暇なく繰り広げられていきました。

 

先進・応化・助教 加藤さん 水素エネルギーのさらなる活用を阻む壁をどのように乗り越えようとしているかを明快に説明

「本当にたった100秒で発表なんてできるのか?!」、「あわてず、つまづかず、うまく話せるか?!」と会場全体が手に汗握り、残り時間を無情に刻んでいくタイマーに目をむけながら固唾を呑んで発表を見守ります。 18人の発表者たちは、よほど練習を重ねてきたのか、自身が日々取り組む研究について、効果的なスライドを用いつつ、ポイントおさえながら見事100秒にまとめあげた発表を行い、審査員の先生方や聴衆の皆さんをうならせ続けました。

プレゼン審査は、学外から東海大学教養学部芸術学科 富田誠 講師と、博報堂生活総合研究所 酒井崇匡 研究員の2名をお迎えし、理工総研の所長・副所長とあわせた合計5名の審査員によって、「研究者」、「発表者」の観点からの専門審査・評価を行ったほか、ご来場の皆様による人気投票の結果を組み合わせて行われました。

基幹・通信・博士3年 寺田さん 小道具を用いて、研究の概念をわかりやすく説明

その結果、栄えあるベストプレゼンテーション賞は、寺田晃太朗さん(基幹理工・通信・博士課程3年)が見事受賞。寺田さんは、「量子アニーリング」という難解な計算技術について、小道具を用いた例え話や、聴衆への問いかけなど、アーリーバードの活動で培った多様な手法を巧みに用いて一般の方々にも分かりやすく伝えるとともに、その技術を交通渋滞の解消へと応用するという研究の魅力も高く評価されての受賞となりました。

 

18名の発表に対してコメントする審査員-左:博報堂生活総研 酒井研究員 豊富なディベート経験をふまえてアドバイス 右:東海大学富田先生 緊張感がダイレクトに伝るプレゼンに励ましのお言葉とデザインの観点からのコメントも

ベストプレゼンテーション賞の寺田さんには、賞状と副賞が授与された
左:戸川 審査員長(理工総研副所長) 右:木野 理工総研所長

「また開催してほしい」と言う声が続々と

プレゼンバトルのあとのポスターセッションではご来場の皆様と交流 100秒プレゼンに対するねぎらいの言葉をたくさんいただいた

発表する側も、見る側もお互いにハラハラ・ドキドキしながら予定の2時間半はあっという間に過ぎ、「もっと聞きたい」「また開催してほしい」という声が、多く寄せられるほどに好評で、大盛況のうちに閉会となりました。
第7期のアーリーバードの活動は、この日をもって終了。日々取り組んでいる研究とアーリーバードとしての1年間の活動の成果を多くの皆様にご披露することができ、メンバー一同が達成感をもって終えることが出来ました。 ご来場の皆さま、そして本プログラムを支えてくださった皆さまに心より感謝申し上げます。

ベストプレゼンテーション賞受賞者コメント

ベストプレゼンテーション賞を受賞した寺田さん 来場者投票でも断トツのNo.1となった

プレゼンコンテストで優勝できたことはとても嬉しく、またイベントも存分に楽しむことが出来ました。1年間のアーリーバード活動で学んだことを活用・工夫したことが実ったのだと感じています。自分の研究を、研究者以外の方々にも広く伝えることができたのは大変価値のある経験でした。本会を通して、自分の研究を改めて見つめ直すことができ、今後の自信にもつながりました。他のメンバーの発表もわくわくするものばかりで、来年度も是非似たようなイベントを開催していただけたら嬉しく思います。ご来場された皆様、本当にありがとうございました。(基幹理工学研究科・情報通信専攻・博士後期課程3年 寺田晃太朗)

 

開催概要

『アーリーバード成果報告会『100sec. TALKS』~若手研究者が創る未来の科学~』

博報堂生活総研の酒井研究員は、審査のほか『生活者発想でひらく未来』と題した特別講演も。理工系研究者と異なる視点で語られる未来の姿に、新たな刺激をいただくとともに、若手研究者に対してエールを送っていただいた

日時|2018年3月1日(木)15:00~17:30
会場|早稲田大学西早稲田キャンパス63号館2階会議室
総合司会|創造・総合機械・博士2年 佐々木崇史
メイン企画|『100秒間研究プレゼンバトル』
  (進行)基幹・情報・博士2年 杉山歩未
審査員|理工総研 所長 木野邦器
  理工総研 副所長 中井浩巳
  理工総研 副所長 戸川 望 ※審査員長
  東海大学教養学部芸術学科 専任講師 富田 誠
  博報堂生活総合研究所 研究員 酒井崇匡
特別講演|『生活者発想でひらく未来』
  博報堂生活総合研究所 研究員 酒井崇匡

 

アーリーバードプログラムとは?:理工学術院総合研究所の若手研究者(博士後期課程~ポスドク)育成・支援プログラム。異分野の若手研究者同士が交流を図りながら、研究者としてのスキル・キャリアアップを目指して、ワークショップや交流会を自らの手で企画・実施する活動に取り組む。今期では54名の応募から18名を選抜。ゲスト審査員をおつとめいただいた、東海大学の富田先生には、今期の活動で研究のビジュアル化に関する講習を担当いただいた。 活動報告はFacebookページにて

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