不活性結合メタセシス反応の開発(3期目)

不活性結合メタセシス反応の開発(3期目)
Posted
Wed, 29 Apr 2026
  • 研究番号:26P18
  • 研究分野:science
  • 研究種別:プロジェクト研究
  • 研究期間:2026年04月〜2029年03月

代表研究者

山口 潤一郎 教授
YAMAGUCHI Junichiro Professor

先進理工学部 応用化学科
Department of Applied Chemistry

URL:http://www.jyamaguchi-lab.com/

研究概要

 二つの有機分子がもつ異なる結合(官能基)の交換反応が進行すれば、高い原子効率で一挙に二分子の変換が可能となり、無駄のない効率的な分子の構造修飾ができる。また、安価で容易に入手可能な一方の化合物から高付加価値化合物への転成も可能である。このような官能基交換反応はオレフィンメタセシス(二重結合)を代表として研究されてきたが、二種類の単結合(異種単結合)を切断し官能基を交換する反応はほとんど知られていなかった。さらに、一つの触媒系で異種単結合を交換させる反応の報告は皆無であった。 

 本研究の目的は、不活性結合を自在に“交換”する新しい反応概念を体系化し、従来の官能基変換を超えた分子骨格編集法を構築することである。不活性結合は一般に反応性が低く、変換のためには厳しい条件や特殊な基質設計が必要とされてきた。本プロジェクトでは、この課題を克服し、芳香環交換反応、結合ダンス反応、ヘテロ芳香環スワッピング反応など、共有結合そのものを相互変換する反応を触媒的に実現することを目指す。 

 研究期間中には、結合交換反応の一般性拡張、触媒サイクルの詳細解明、計算化学を基盤とした反応設計の確立を行う。また、実用化に向けた試薬化・スケールアップも推進し、創薬化学における誘導体展開の迅速化や材料化学への応用可能性を示す。これらの成果により、分子骨格編集の新たなパラダイムとして結合交換反応を国際的に確立する。 

年次報告