School of Law早稲田大学 法学部

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法律の線引きをどこに置くか。〝余白〞には、人間らしさが詰まっている。

教員からのメッセージ

北川 佳世子 教授

同大学大学院法務研究科教授。日本刑法学会理事。専門は刑事法学で、特に刑事過失論に強い関心がある。日本学術振興会特別研究員、海上保安大学校、 岡山大学法学部・法科大学院を経て現職。学生向け著書に共著「入門刑事法」(有斐閣)「刑法演習ノート-刑法を楽しむ21問」(弘文堂)など

主な担当科目:刑法II、応用刑法I、主専攻法学演習(刑事法)

校生の皆さんにとって身近なルールの代表格と言えば、校則でしょう。「ツーブロックヘア禁止」「下着の色指定」など、トンデモな校則が度々話題になりますが、高校生活における自由と秩序のバランスを図るための〝線引き〞をどうするか。様々な立場の人の意見を交えながら刷新していくのが、校則の本来の在り方だと思います。実は、私たち国民の自由や権利を守ってくれる法律も似ていて、現代社会の価値観に照らして、新しい法律が制定されたり、既存の法律の改正がなされたりと、社会の自由と秩序の〝線引き〞はどんどん変化してゆきます。特に明治期からほとんど改正されてこなかった刑法は、ここにきて議論が活発化し、最近は性犯罪の改正がありました。大学生らも関心を寄せ、性的同意やLGBTQ+の議論に触発されて、理解をさらに深めようとサークルを立ち上げる学生もいるほどです。次世代を担う若い人達が、学びを通じて社会の動きに対応した法制度、法解釈のあり方について自ら考えることは素晴らしいことです。

ところで、高校に招かれて法律の模擬授業を行うと、条文の暗記が法律学習だと思って渋い顔をする学生は少なくありません。ですが、実はまったく違います。私たちが普段発している言葉に色々な意味があるように、法律学における文言も多義的です。この〝余白〞をどう解釈していくか、条文解釈の技法を学ぶのが法学部です。条文の文言一つとっても、そこには様々な立場での法解釈があり、血の通った人間ドラマが見て取れます。法学の世界は、まさに〝現実は小説より奇なり〞を体験できる場所でもあるのです。

 

(2024年6月時点の情報です)

教員紹介

北川 佳世子教授

分野紹介

刑事法-犯罪から個人、社会、国家を守る、“最強の法”。

 

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