Graduate School of Law早稲田大学 大学院法学研究科

【学生インタビュー】持続可能な都市の実現に、法学の立場から貢献したい

持続可能な都市の実現に、法学の立場から貢献したい

公法学専攻 博士後期課程 2024年4月入学 則武 昂希さん

学内の豊富な資料を活用しドイツの都市計画法を研究

早稲田の法学部に入学した当初は、大学院への進学を想像したこともありませんでした。考えが変わったきっかけは、学部3年生の時に行政法のゼミに入ったことです。まちづくりに興味があったことから、行政法の中でも特に都市法に関心が高まり、この分野を深く探究したいと進学を決めました。学部のゼミでご指導いただいた人見剛先生に、法学研究科に進学後も引き続き研究指導を受けています。

修士論文では「持続可能な都市発展」を目標に掲げるドイツの都市計画法をテーマに選びました。この目標は社会、経済、環境の3つの柱から成りますが、中でも「社会」に着目し、社会的弱者に対する都市計画における配慮とその具体化を研究しました。私は学部入学時に第二外国語としてロシア語を選択していたため、ドイツ語の学習歴は浅く、論文や裁判例を原文で読む作業はかなり骨が折れるものでした。それでも根気強く読み込む中で、徐々に全体の意味が通り、論点をつかめたときの達成感はひとしおでした。早稲田の図書館にはドイツ語を含めた外国語の資料も潤沢にそろい、恵まれた研究環境を実感しています。

専攻分野を超えた院生との交流が心の支えに

大学院では、自分で資料を探索し、読み、まとめ、報告する主体的な研究姿勢が求められます。加えて、学部生の頃と比べての自身の変化として、自分から進んで周りの人たちと関わるようになりました。というのも、研究は一人ではできないと知ったからです。最終的に論文を書くのは自分ですが、その過程で必要な情報を収集する上では人的ネットワークが欠かせません。専修や専攻の違いを超えたほかの院生との交流は、広く情報を集める機会となるだけでなく、研究を続ける上での精神的な支えにもなっています。早稲田キャンパス2号館には法学研究科の院生だけが使用できる専修研究室があり、論文が大詰めだった修士2年目には連日、夜遅くまでここで過ごしました。同じように論文執筆に励む仲間の姿に励まされたのを思い出します。

2024年春から博士後期課程に進み、修士論文のテーマを発展させて、都市計画行政における持続可能性の法的統制の在り方を探るべく研究に取り組んでいます。公法の中でも行政法は、市民の生活や活動に直接的に効果が及ぶ領域であり、細部まで慎重に議論を詰める重要性を感じています。現実社会にある問題に照らし合わせながら行政法研究を続け、研究者の立場から、持続可能な都市の実現に貢献していきたいと考えています。

進学を検討する皆さんへのメッセージ

かつての私は、大学院とは特別に優れた能力を持つ人が行くところで、自分には縁がない場所だと思っていました。いま大学院に身を置いて感じるのは、多くの人は何らかの問題意識を胸に、頭を悩ませたり試行錯誤したりしながら一歩ずつ研究を前に進めているということです。重要なのは「能力があるか、ないか」ではなく「やるか、やらないか」に尽きるのではないでしょうか。コツコツと地道に積み上げる経験や、自らの思考を組み立てて言語化・文章化する経験は、実社会においても職業を問わず必ず活きるものだと思います。

 

法学研究科 2024年7月
インタビューに答えてくださった則武さん、ありがとうございました。

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/folaw/glaw/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる