School of Culture, Media and Society早稲田大学 文化構想学部

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「日本近代文学の可能性を探究する」 文化構想学部 ピタルク・パウ准教授(新任教員紹介)

ピタルク先生アイキャッチ画像

自己紹介

私が研究者として日本文学に導かれるまでには曲がりくねった道がありました。その始まりは大学4年生でドイツに留学した時です。母校での専攻は比較文学だったのですが、それまで非西洋文化に触れ合うことはほとんどありませんでした。そんな私が留学先のベルリン自由大学で「世界文学の耽美主義」というテーマの授業を取りました。そして、そのリーディングリストにたまたま三島由紀夫の『金閣寺』が入っていたのです。私は中古で買った仏訳版で読んでも(しかも、英訳からの重訳だった気がします)その小説の新鮮な表現に魅了され、その裏にある未知の世界に好奇心をそそられました。それがきっかけで、いつか原文で読めるようになる日を夢見て日本語を学習し始めることにしました。その数年後には文部科学省の奨学金のおかげで日本に留学し、日本文学研究者としての第一歩を踏み出すことができました。日本文学は読めば読むほど、その豊かさ・多様性に驚かされます。授業で皆さんと一緒に大好きな文学作品を読みなおし、新しい発見ができることを楽しみにしています。

le pavillon d'or

Le Pavillon d’Or  ― フランス語版『金閣寺』―

私の専門分野、ここが面白い!

この十数年間、明治から昭和初期までの日本文学を研究してきました。その時代の魅力的なところは何かというと、無限の可能性の雰囲気だと思います。つまり、今は当然と思われているあらゆる概念、例えば「芸術」、「自由」、「自己実現」等々が、その当時には新鮮な発見であり、熱心に論じられたのです。「文学は現実を変えられるのか?」、「作家の社会的な役割は何なのか?」、「人間の内面を言葉でどうやって真正に表現できるか?」などは、当時の文学青年に真面目に討論された問題です。実験を重ねながら、色々な文体やスタイルを試し、日本文学の可能性を探究していったのです。その時、美学的・政治的・哲学的に、あらゆる論点で議論を重ねた文学者のやりとりを追うのは非常に面白いと思います。私たちの世界は百年前と比べれば、技術的な面などでかなり変化しましたが、「人間である」という矛盾に満ちている経験は根本的に変わりません。だからこそ当時の文学者の試みは今でも充分価値があると私は思っています。

資本主義征服號

大正・昭和初期を代表する総合雑誌『改造』 (1919年8月号)

プロフィール

バルセロナ自治大学文学部卒業(比較文学)。修士(東京大学、言語情報科学)、博士(コロンビア大学、日本文学)。ニューヨーク市立大学クイーンズカレッジ助教授を経て、2017年より現職。専攻は近代日本文学。

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