School of Culture, Media and Society早稲田大学 文化構想学部

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「心身論~こころの科学と東洋的実践~」 文化構想学部 宮田裕光准教授 (新任教員紹介)

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自己紹介

早稲田大学では、文化構想学部現代人間論系に所属し、「心身論」の講義やゼミ、演習を担当しています。現在行っている研究は、心理学の実験や調査の方法を使って、ヨーガ、瞑想、能、速読、マインドフルネスといった東洋的な実践によるこころとからだの変容と、その仕組みについて探ろうとするものです。今後はこのような研究を、さらに幅広い分野の学問と結びつけながら展開していきたいと考えています。大学の学部、大学院生時代には、ハトやミヤマオウム (キーア) といった鳥類やヒトの幼児を対象に、思考や問題解決能力を解明するための心理学実験をしていました。その頃に、西田幾多郎などの京都学派や、仏教などの東洋思想に関心を持ち、それらと心理学や脳研究とを融合させる必要性を感じたことが、現在の研究テーマにつながっています。また学生時代にはリコーダーサークルに所属し、プロの先生にも師事しました。現在に至るまで、バロック音楽などの演奏を続けています。さらに遡ると、物心ついた頃から昆虫などの身近な生き物が大好きで、中学、高校時代までは各地にチョウなどの採集に出かけていました。これらのすべてが、現在の学者、研究者としての自分を形作っていると考えています。

ヨーガ瞑想中の自律神経計測 (センサー装着場面)

私の専門分野、ここが面白い!

心理学や脳科学は、人間のこころや脳のはたらきを直接の研究対象にしている学問ですが、自然科学による分析的方法によって合理的なこころの理解を目指していることが特徴です。しかしこうした科学だけでは、人間観としては「頭でっかち」なものになってしまうかもしれません。私たちの身体性に根ざした生身の人間経験をどのように捉えるべきか、真摯に考える必要があるのではないでしょうか。そのためには、人文学や社会科学などのさまざまな学問との対話や融合も必要になってくるでしょう。

このような観点から、私の「心身論」では、仏教やヨーガといった東洋の伝統的実践やその心身観と、こころの科学の両方を参照し、融合させることをこころみています。具体的には、洋の東西の歴史的心身観や、より近年の身体心理学、瞑想の脳研究、マインドフルネスなど、多くの学問領域を横断しつつ、統合的で調和のとれた人間の捉え方について考えています。また机上で学ぶだけでなく、自分でも何らかの実践をしてみること、そうした一人称の体験から得られる気づきを大切にしたいと考えています。

現代における人間理解のあり方を真摯に考えたい人、既存の学問の枠にとらわれない学びがしたい人にとって、多くの興味深いテーマに満ちた分野だと思います。

瞑想実践と神経科学を融合した夏合宿 (Mind & Life Summer Research Institute) に参加しました。  (右)会場のGarrison Institute (Garrison, NY) (左上)会場からハドソン川を望む (左下)最寄りの鉄道駅Garrison Stationにて

 

趣味でリコーダーを演奏しています

プロフィール

1981年、奈良県生まれ。京都大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士後期課程修了。2009年3月、博士 (文学)。日本学術振興会特別研究員 (DC1、PD)、科学技術振興機構ERATO研究員、青山学院大学助教などを経て、2017年4月より早稲田大学文学学術院准教授 (文化構想学部現代人間論系)。専門は実験心理学、認知科学、心身論。

 

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