スペシャリティを武器に経営幹部となることを目指す人、および財務・金融のスペシャリストを目指す人に向けた、2年間のプログラムです。授業は平日夜間と土曜日に開講されるため、働きながら自身をブラッシュアップすることが可能です。専門別モジュール制により、マネジメントの主要各分野を深く掘り下げて学べる「マネジメント専修」と財務・金融のスペシャリストを育てる「ファイナンス専修」にわかれます。両専修とも、関心に応じて柔軟に学びを広げることが可能です。
理論から実践まで、バランスの取れたカリキュラムで実務に直結する力を修得
ファイナンス専修のカリキュラムは、ファイナンス理論・技法を中核に、関連科目がそれらを側面から支える形で、ファイナンスの業務に必要な知識が総合的・相互補完的に修得できるように体系づけられています。学修内容は、実務を進める上で求められる能力を基礎に、総合的に構築・編成されており、従来のジェネラリスト志向のMBAプログラムでは学べなかった、ファイナンス関連知識の深掘りを目指す点が最大の特徴です。
MBAプログラムに共通する必修コア科目に加えて、ファイナンスを体系的に修得するために必要な科目としてファイナンスモジュール専門科目3 科目の履修が推奨され、さらに選択科目を通じて専門知識を深めながら実務経験者として培ってきたものをアカデミックな裏付けとともに論理的に理解していくことになります。さらに第2セメスター以降は異なる3つのテーマの演習を受講するとともに、担当教員の指導の下、2年間の成果をプロジェクト研究論文としてまとめることが求められます。
夜間主プロフェッショナルプログラム(ファイナンス専修)では、以下の入学試験制度があります。各入試の詳細については「入学試験情報」ページからご確認ください。
研究科日程はこちら
授業時限は以下のとおりです。
※早稲田大学では全学的に2023年4月より100分授業に移行しています。
平日 | 土曜 | |
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1時限 | × | 8:50~10:30 |
2時限 | × | 10:40~12:20 |
3時限 | × | 13:10~14:50 |
4時限 | × | 15:05~16:45 |
5時限 | × | 17:00~18:40 |
6時限 | × | 18:55~20:35 |
夜間主6時限 | 18:30~20:10 | × |
夜間主7時限 | 20:20~22:00 | × |
2 年以上在学して50 単位以上を修得し、演習および研究指導を経てプロジェクト研究論文を執筆します。論文審査および試験に合格した者に対して、「経営管理修士(専門職)MBA」の学位が授与されます。※ 早稲田大学内の他研究科や交換留学先の海外大学院に設置されている科目の単位は、審査の上、修了必要単位に算入できる場合があります。
※モジュール専門科目(所属するモジュールが指定する選択科目)の中から、3科目6単位以上修得することを履修指導します。
※選択必修コア科目(MBAプログラム)を修得した場合、一般選択科目の単位として算入します。
※「研究指導」に単位付与はありませんが、所定の指導を受け合格する必要があります。
※「研究指導」は2年次以降の配当となります。
以下のリンクより各科目のシラバスを閲覧することができます。
第2セメスター以降は異なる3つのテーマの演習を受講するとともに、2年間の成果をプロジェクト研究論文としてまとめます。プロジェクト研究論文の審査合格に対しては2単位が付与されます。
2018年3月修了者題目一覧
2019年3月修了者題目一覧
2019年9月修了者題目一覧
2020年3月修了者題目一覧
2020年9月修了者題目一覧
2021年3月修了者題目一覧
2021年9月修了者題目一覧
2022年3月修了者題目一覧
2023年3月修了者題目一覧
ファイナンス専修では以下の全ての科目を履修します。
「マーケティング」、「財務会計」、「ファイナンス」、「人材・組織」、「経営戦略」、「総合経営」、「グローバル経営」
ファイナンス専修では以下の5科目のうち3科目を履修することを推奨しています。
「コーポレート・ファイナンス」、「エクイティ・インベストメント」、「企業データ分析」、「債券インベストメント」、「デリバティブ」
コーポレート・ファイナンスでは、企業の血液といえるお金(キャッシュフロー)の価値を、リスクとの関係からひもとき、企業の資金調達や投資、資金・配当政策に関する意思決定、M&Aにおける価値評価などの理論と実務との関係を学びます。経済活動がグローバル化する中、企業の財務関係者はもちろんのこと、経営・事業の企画部門で活躍する上でも不可欠な知識となっています。
事業会社:財務部門、経営企画部門、事業企画部門
ファイナンスと経営管理、コーポレート・ガバナンス、CFOの役割と課題、事業再生、M&A、M&Aと企業価値評価 など
英語の”Investment”の意味そのもので、今日の時点での資金を将来のリターンの獲得を目的として投資対象資産に配分することが「投資」ですが、大切なことはリターン追求と同時にリスクをコントロールしなければならないことです。このため国内外の株式、債券などの主要な投資対象の評価のための理論・モデルの学習に加えて、統計学や計量経済学の基礎を固めることも必要になります。
金融機関:ファンドマネージャー、証券アナリスト、ストラテジスト
アセットアロケーション、株式ポートフォリオ運用、年金マネジメント、ヘッジファンド、マーケットマイクロストラクチャー、ファイナンスのための計量分析 など
金融ビジネスでは、低金利環境のもとでより一層のリスクテイクを余儀なくされており、その管理が重要課題となっています。本分野では、リスクを確率・統計等を用いて定量的に把握し、デリバティブ等最新の金融工学を駆使してテイク・コントロールする技法を学びます。これらの知識は、金利、為替、株式、不動産等運用成果や貸出先の倒産確率の管理から仕組商品の開発に至るまで幅広く応用されています。学習のハードルは高いですが、金融工学の専門家として活躍できる分野でもあります。
金融機関:融資・資産運用のリスク管理部門、ALM部門等
計量経済学、ファイナンスのための数学基礎、ファイナンスのための確率過程、ファイナンスのための確率統計、ファイナンスのための計量分析、中級ファイナンス、アセットプライシング、Asset Management、株式ポートフォリオ運用、ヘッジファンド戦略、デリバティブモデリング、金利デリバティブ原理とクレジットリスク、金融商品戦略と事業リスク管理、不動産金融工学 など
金融システムは、貯蓄と投資を結び付け、経済活動に必要なリスクと資金を配分する仕組みであり、実体経済を支えるインフラです。金融システムが円滑に機能するためには、市場や金融サービス産業は絶えず実体経済の変化に対応して変貌と進化を続ける必要があります。金融システムを理解することは、金融機関のみならず資金調達や運用にかかわる企業サイドの実務家にとって不可欠です。
事業会社:財務部門、経営企画部門
金融機関:銀行部門、証券部門、運用部門
日本の金融システム、金融機関マネジメント、金融ビジネスとシステムデザイン、コーポレート・ガバナンス、国際金融論、マクロ経済学の基礎 など
当研究科のこの分野は、不動産、インフラストラクチャー、およびプロジェクトのファイナンスに関する、日本で唯一かつアジアでトップランクの学びが可能です。不動産は今や世界の市場ポートフォリオの20%を占めるアセットクラスです。また、インフラストラクチャーおよびプロジェクトの市場はニッチではありますが、急拡大しています。ファミリーオフィスからプロパティテックといった新しい分野についても学べます。
事業会社:全部門
金融機関:全部門
不動産金融工学、不動産証券分析、不動産経済学、不動産とファイナンス、住宅とファイナンス、計量経済学 など
ゼミ名称 | 責任者 |
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企業経済学 | 准教授 蟻川 靖浩 |
金融経済学 | 教授 池田 昌幸 |
戦略のつくり方とその経済的価値の測り方 | 教授 川口 有一郎 |
ブロックチェーンと分散ファイナンス | 教授 斉藤 賢爾 |
ポートフォリオ・マネジメント | 教授 竹原 均 |
コンピューテーショナル・ファイナンス | 教授 中里 大輔 |
ESG投資と企業価値 | 教授 根本 直子 |
行動ファイナンス | 教授 山口 勝業 |
*ゼミ開講予定は一部変更になる場合があります。
個別のゼミ情報については以下のページの「入試要項」-「ゼミ・モジュール紹介」よりご確認ください。
当プログラムの特徴は、ファイナンスという学問分野が高度に専門化していることに鑑み、各教員の専門性に応じてテーマを絞り込んだ演習科目を設置し、在学中に3名の教員の3つの演習を履修するように工夫していることにあります。
このことで、各教員の特に強い分野の知見を組み合わせることができ、学生はより高度な指導を受けられます。学生は、通常その3名の教員のうち1名を指導教員として、講義や演習で学んだ専門知識を組み合わせ、プロジェクト研究論文を作成します。
論文作成を通じて、金融、経済のデータ分析等を行い、自ら構築した仮説を検証したり、ビジネス上の問題に関する理解を深めたりする機会を得られます。
根本 直子 教授
専門は金融、サステナブル投資。日本銀行、S&Pグローバルのマネージングディレクター、アジア開銀研究所エコノミストを歴任。早大法卒、米シカゴ大学経営大学院修了、一橋大学大学院商学研究科(博士)。金融庁脱炭素検討会委員。みずほ銀行社外取締役、GPIF経営委員。