Graduate School of Commerce早稲田大学 大学院商学研究科

その他

2003年3月修了
■大嶌 達士郎さん
■経営専修

voice_ma_012003年3月修士課程修了
大嶌 達士郎さん

(経営専修 組織戦略論研究指導 /現職:株式会社桂川精螺製作所 勤務)

大学院時代は経営学を専攻し、組織戦略論を学びました。現職は、修士論文で自動車業界の二次・三次サプライヤーの戦略を研究課題としたことが契機となり、修了後は親族で経営している自動車部品のメーカーに勤務しております。
入社時は企画室で経営全般に渡る仕事をしておりましたが、入社5年目から希望して財務に異動し、より専門性を強化した形で経営に携わっています。家庭においては現在二児の父親です。

早大商研への進学を決めたのはどのようなきっかけからでしたでしょうか?

学部進学時には自分が学びたいことが定まっておらず、広い分野で学習できるのではと考え、政治経済学部に入学しました。そして大学生活の前半は、アルバイトをしたりサークル活動をしながら自分がやりたいことを模索していました。それから大学3年の時に、中小企業診断士という資格の勉強を通じて経営学というものに興味を持ちました。商研への進学を決めたのは、先生の執筆された経営学の本が体系的で分かり易く、学習した内容が自分の頭の中で心地よく整理ができたことが大きな要因です。
なぜ経営学に興味をもったのかと言いますと、単純なことで自分の生活に密接な学問だからです。よく言われます4つの経営資源である「ヒト・モノ・カネ・情報」は常に自分の身近な所にあります。一般家庭において家計簿により生活が切り盛りされるように、会社においても財務諸表を基にマネジメントはなされます。会社は社会生活を反映させたものであると言え、経営学を学ぶことで自分の生活への理解が深まります。一方人の生活があるからこそ経営というものは成り立ち、人そしてその集合体である組織の理解なくして経営は語れません。当時の私はこのように考え、総合的に、組織戦略を学ぶことが自分の生活を豊かなものにするはずであると信じ進学を志しました。

実際に入学され、学生生活はいかがでしたか?

1年次は指導をマンツーマンで受けられるという、かなり貴重な時間を過ごさせていただけました。学部生時代とは比較にならない程多くの文献を読み、与えられた時間を活かし様々な思索をしました。私は当時データ分析におけるスキルが身についていなかったため、非常に困難に感じる授業もありましたが、丁寧な指導のおかげで純粋に「学ぶ」ことを楽しめたという思いがあります。
また学部との合同ゼミの機会もあり、卒業論文のテーマ検討の相談を受けたり、データ分析のサポートをしたりと、過去の自分を見つめながら力をつけていけたように思えます。同時に実証的な研究探索を大事にするゼミでしたので、いくつかの会社や工場を見学する機会があり、現場を見ることの大切さを覚えました。
2年次からは後輩もでき、留学生との交流もあり、自分の視野を更に広げることができました。ここ数年小さい子供を育てている関係もありしばらく大学院に足を運べませんでしたが、先日ゼミのOB会に参加する機会がありました。変わらず芯のある新入生に出会うことができ、嬉しく思いました。

修士論文はどのようなテーマで執筆されましたか。

修士論文は、「サプライヤーの戦略と企業間関係」というテーマで執筆し、自動車業界の二次・三次サプライヤーの戦略について考察しました。ご存じの通り自動車産業は裾野が広く先行研究が既に多くなされていましたので、まずは既存の研究を知ることに多くの時間がかかりました。それから私の研究は、自動車産業の研究の中でもあまり手がつけられていない下層のサプライヤーについての戦略を検証するところに独自性がありました。そのためニッチな研究内容の資料を見つけるために図書館や資料センターをはしごしたことは良い思い出です。またその中で有用な研究をレビューするに当たり、現行の理論を鵜呑みにするのではなく、常に疑いを持ち「建設的に批判する」というスタンスを身につけることができました。また先輩や同僚・後輩と自分の研究テーマについて話すことにより新たな視点で自らの論理を見つめ直すことができました。仕事以外であそこまで一つのことに情熱を持って探究をした経験はなかったと思います。修士論文を書き上げた達成感は今でも私の現在の仕事への情熱の礎となっています。

現在、大学院で学んだことをどのように活かされ活躍なさっているかについて教えてください

入社当時、企画室に配属され、原価低減を目的にしたプロジェクトのコストダウン責任者を任されることになりました。原因調査と業者との交渉を根気強く進め、目標を達成し、社会に出てからの初めての大きな仕事を乗り越えることができました。そして、その後の別のプロジェクト立ち上げや深い部分での経営への参加ができるようになりました。
もし、原因分析能力を身に付けずに入社していたら、社内外の交渉や調整はうまくいかず、苦い経験となったかもしれないと振り返ります。また粘り強く仕事に取り組めたのは、大学院で学んだ2年間があったからだと思います。最初のプロジェクトから派生して多くの方に会う機会も得られ、現場で対話を重ねることにより改善を進めていくことができました。
入社5年目には希望する財務への異動となり、自ら立てた経営計画を実行し、会社目標を達成するにいたりました。現在、環境側面から自動車自体が大きな変革期にあり、業界やその垣根を越えて次世代自動車の開発が取り組まれています。社内の今後の戦略や方針を考えている中で、当時考察した内容について、その業界にいる立場で実証見聞できるというのは有意義なことです。

進学を検討されている方へ、メッセージをお願いいたします

私は早稲田大学大学院商学研究科で経営学を学ぶことにより、自分を強くすることができたと思います。それはただ知識をつけたということではなく、自分に納得がいく経験を積めたからだと言えます。進学を検討されている方はある程度自分がやりたいことが見えている方なのではないかと思います。常に目的意識を持ち研鑚を積むことで努力は実っていきます。ぜひご自身の可能性を早稲田の学び舎で広げてみてください。

◇関連URL
http://www.katsuragawa-seira.com/
http://www.toyota-lf.com/solution/report_90.html

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