電力系統の混雑緩和のための分散型エネルギーリソース制御技術開発に向けたフィージビリティスタディの実施について
株式会社三菱総合研究所、関西電力株式会社、関西電力送配電株式会社、京セラ株式会社、東京電力パワーグリッド株式会社、学校法人早稲田大学の6者は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募する「再生可能エネルギーの大量導入に向けた次世代電力ネットワーク安定化技術開発/電力系統の混雑緩和のための分散型エネルギーリソース制御技術開発に向けたフィージビリティスタディ」に応募し、このたび採択されましたのでお知らせいたします。
昨年度のNEDO事業※1において、再生可能エネルギー(以下、「再エネ」という。)の更なる導入を目的とし、先進事例である海外における分散型エネルギーリソース(Distributed Energy Resources:以下「DER」という。)の管理・制御方式や関連するサービスの調査を行いました。
その結果、DERフレキシビリティ※2の活用が、再エネの大量導入時における電力系統の混雑緩和に有効であることを示し、それらを活用するためのシステムの必要性や我が国へ適用するための課題等を整理しました※3。
本事業では、昨年度の結果を踏まえ、国内初となる「DERフレキシビリティ活用システム※4」を早期に実現するための課題を抽出し、今後必要な技術開発項目と実施すべきプロジェクトを検討・整理いたします。
6者は、本事業を通じて、DERを最大限活用できる仕組みを実現することにより、再エネの導入拡大への貢献を目指していきます。
以 上
※1 NEDOの調査委託事業である「再生可能エネルギーの大量導入に向けた次世代電力ネットワーク安定化技術開発/分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けたフィージビリティスタディ」にて、株式会社三菱総合研究所、関西電力送配電株式会社、東京電力パワーグリッド株式会社、学校法人早稲田大学の4者が調査を実施。(2020年6月29日 お知らせ済み)
※2 発電や負荷の大きさを柔軟に変化させることが可能な能力。欧州等では系統運用者からの指令等により、需給調整や系統潮流のコントロールに活用されている。
※3 2020年度調査結果(NEDOのHP参照)
※4 DERフレキシビリティを電力系統の混雑解消等に活用するため、一般送配電事業者とアグリゲーターを仲介するシステム。DERフレキシビリティの調達におけるマッチングや制御量の配分、指令の発出等の機能を保有する。
別紙
「電力系統の混雑緩和のための分散型エネルギーリソース制御技術開発に向けたフィージビリティスタディ」の概要
1.事業概要
我が国で電力系統の混雑を分散型エネルギーリソース(以下、DER)により解消するための「DERフレキシビリティ活用システム(以下、システム)」を早期に実現するための課題を抽出し、今後必要な技術開発項目と実施すべきプロジェクトを検討・整理いたします。具体的な実施内容は下記のとおりです。
- 国内・海外調査
電力系統の混雑を解消するために、国の委員会等で検討が進められているノンファーム型接続※1、再給電方式※2等の議論動向を踏まえ、システムを適用するにあたっての制度・技術課題を整理する。なお、検討にあたっては海外事例を踏まえつつ整理する。 - システム要件の整理
昨年度の調査結果を踏まえつつ、 DERフレキシビリティを活用するユースケースの具体化を進め、実現にあたりシステムに求められる要件を整理する。 - 今後必要な技術開発項目と実施すべきプロジェクトの整理
上記を踏まえて、今後必要な技術開発項目と、実施すべきプロジェクト(実証事業の内容、スケジュール等)の内容を具体的に検討する。
※1平常時で電力系統の混雑が生じる場合、発電出力の制御を条件として接続を認める方法。
※2電力系統の混雑を解消するため、混雑系統において一般送配電事業者が電源の抑制を指示し、電源抑制に伴い不足した電力を、他電源による発電にて電力の同時同量を確保する方法。
2.期間
2021年7月~2022年3月(予定)
3.実施体制
株式会社三菱総合研究所(幹事法人)
関西電力株式会社
関西電力送配電株式会社
京セラ株式会社
東京電力パワーグリッド株式会社
学校法人早稲田大学
<参考:DERの活用イメージ>
DERを一元的に管理、調達、運用するシステムを構築し、一般送配電事業者やアグリゲーター※3と連携しながら、電力系統の運用と協調しDERを最適に運用する。
※3 DERを統合制御し、さまざまなエネルギーサービスを提供する事業者。
補足
本事業における早稲田大学の担当部門は、スマート社会技術融合研究機構(機構長 林 泰弘)です。